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惑わしの森
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青年はスラリと背が高く、流れるような腰までの銀髪と美麗な容貌を持ち合わせていた。
しかしその表情は決して柔なものではなく、むしろ怖いほどに冷徹な印象を放っている。
それはサラマは当然のごとく、リードやポルタをも敵だと見なしている目だった。
そして鋭い視線を向けるのはその青年一人だけではなく、無数の探るような眼光が周り中の木々という木々から、まるで射るようにリードたちを取り囲んでいた。その手には各々が弓矢を持ち、今にも放たんと身構えている。
リードは肌にじっとり汗をかきながら相手の出方を伺っていた。その背後ではポルタが小刻みに震えている。
サラマは特に慌てる様子はなかったが、余計な邪魔が入ったとばかりに舌打ちする。
次の瞬間、サラマが動いた。それは目にも留まらぬ速さで地を蹴り上空へと飛んだのだった。
と同時に木々の間から弓を構えていた男たちが一斉に空へと向かって矢を放つ。
しかしその時には既にサラマの姿はどこにもなく、重なり合った無数の矢たちが鈍い音を放ち虚しく落下する。
リードはこの隙にと動きかけたが、甘かった。
いつの間に背後をとられたのか、銀髪の青年がリードの喉元に鋭い剣先を突き付けていた。
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