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波乱の?転校生
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携帯のアラームが告げた、朝の訪れ。
「 ん……7時…か。うわ、腰いてぇ… 」
メガネを拭いて耳にかけて、コップ一杯の水を飲む。
制服に着替えて1回に降りれば、母さんと父さんと姉ちゃんが食卓テーブルに集合していた。
「 りょーすけおはよー 」
「 良介、おはよう。朝ご飯出来てるわよ 」
「 良介、お前昨日飯食わずに寝たんだって?唐揚げ残ってるぞ、食っちまえ 」
「 朝から唐揚げとかきっつー、りょーすけ頑張って。私行くね 」
そう言って、俺の姉である佐々木 凛は大学へと出掛けて行った。
「 …父さん母さん、悪いけどちょっと今日早いんだよね。転校生が来るとかで 」
「 あら、朝ご飯食べて行かないの? 」
「 今家出てちょうどいいくらいだと思うから、大丈夫 」
「 ……夕飯はちゃんと家族皆で食うんだぞ 」
ごめんね父さん。
「 うん、行ってきます 」
スクールバッグを肩にかけて、ネックレスをこっそりと身に付ける。
制服の1番内側、ワイシャツの下。
(さすがにバレないだろ…)
清川も今日、身に付けてきているんだろうか。
いや、アクセサリーは程々にしろと言ったから、付けてきていないかも。
清川のことばかり考えながら、玄関を出て学校へと駆けた。
ーー
玄関を特別に早めに開けてもらって、職員室まで歩く。
コンコン、とノックをして、失礼しますと声をかける。慣れた手つきだった。
「 おーおはよう良介 」
「 二星、おはよう。先に来てたんだ 」
「 いつまで苗字呼びなんだよー 」
「 定着したからいいんだよこれで。それより転校生は? 」
「 俺の後ろ 」
そう言って、二星の後ろから、顔を覗かせたのは__
茶髪で、マスクで、少し目つきの悪い男の子。
「 ……初めまして。
生徒会長の佐々木先輩ですよね?俺は香坂 怜斗っていいます。よろしくお願いします 」
香坂。香坂。
____香坂?
どこか、聞き覚えのある苗字だった。
「 あ…そうです、初めまして、佐々木 良介といいます。まずは学校の案内と__ 」
「 …結構です。下調べはして来たので。
それより教科書とか無いんですか? 」
なんだこいつ。一瞬そう思ったのは、俺も二星も同じみたいだ。
「 …教科書ね。高校1年の中盤あたりだから、どの教科も今難しい時期だよ。はい、頑張って 」
どっさりと、たくさんの教科書が二星から香坂へと渡された。
「 ありがとうございます。俺クラスどこですか?」
「 えーと、1年2組だね。良介、案内頼んでいい? 」
「 …いいけど 」
ちゃんと言うことを聞いてくれるのか、不安だった。
「 ごめんね、よろしく。今日なにせ日直なんだ 」
二星と俺は違うクラスだった。そういうことなら仕方がない。
「 じゃ、香坂君。行こう、1年のクラスは1階だよ 」
時計を見たら、普段なら朝読書をしている時間だった。
先生に頼んでもう転校生が来ることは伝えておいてもらっている。
…1年2組といえば、清川のいるクラスだ。
清川は、どうやらクラスの中ではまぁまぁモテているらしい。
勉強が出来ないフリをしているだけで、頑張ればきっとクラスで1番なんて容易なことだろう。
「 …生徒会長 」
「 んー? 」
「 生徒会長、なんか俺について思うところがありそうですね 」
教科書の山を抱えた、微妙に鼻声の香坂はこう続けた。
「 まず俺の茶髪ですけど…これ地毛です。
あとイントネーションが少し変なのは、昔京都に少し居たんですよ。
生徒会長が気になってるのはこんな所ですか? 」
「 …随分察しがいいみたいだな。その調子で勉強も頑張ってくれ 」
「 はぁ。……生徒会長、俺も気になってること聞いていいですか? 」
何故だろう。彼には、えも言われぬ近寄り難い雰囲気があった。
こんな彼が、クラスに馴染めるのか不安なくらい。
「 生徒会長なのに、ネックレス付けてるんですね 」
「 っ…!!? 」
なんで、それを。
ワイシャツの一番下に付けていたはずなのに。
すると、香坂は笑って__。
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