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第1夜-5
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近くのコンビニで弁当とおにぎり、飲み物を買った晴臣は、自室への階段を上っていた。
晴臣の家は1階が店舗、2階が倉庫兼アトリエ、3階が住居になっている。
叔父から譲り受けた時には3階も倉庫として使われていたため、内装が殺風景ではあるが、晴臣は気にせず使っている。
「戻りましたよーっと」
自室の鍵を開けて入る。
「おう、お帰り」
ソファから奏太の声がする。
流しで手を洗うと、ソファとベッドの間のテーブルに、買ってきたものを広げた。
「好きなもの食ってくれ。俺はまだ腹減ってないから後で食う……っていうかあぐらかくなよ」
「あぐらの何が悪い」
「黒髪美女がジャージであぐらかいてるとか、台無しだろ」
「ジャージは晴臣のだし、晴臣は女に夢を見すぎだ」
乾いた音を立てて割り箸を割りながら、奏太は鼻で笑う。
「晴臣は俺を女誑しだとよく言うが、違いはそこだと思うぞ」
「あー……もっともらしく聞こえるけど、要は見境なしじゃねーかこの野郎」
「馬鹿言うな。俺にだって好みはある」
「好みと言えばさ、奏太が付き合ってた女、遥ちゃんとは全然似てないよな」
「女は女、遥は遥だ。別物だからな」
「そーゆーもんなの?解んないな」
晴臣は向かいのベッドに腰を下ろすとペットボトル飲料を開けて飲んだ。
「で、元に戻れそうか?」
「戻りたいが、方法が皆目見当もつかん」
「昨日バーに行ったって言ってたが、行き付けの店か?」
「いや。初めて行った。……あそこが怪しいと?」
「さあ。思い付いただけ。昨日はずいぶん酔ってたみたいだったから」
「……何て名前の店だったかな……何とかリング……思い出せない」
のり弁のちくわの天ぷらを齧りながら、奏太は首をひねる。
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