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「え〜っと、思ってた通り熱ですね」
「あ、はい」
「それじゃあ処方薬出しときますので薬局でもらってください。その後、またここに来てくださいね」
「え?ど、してですか?」
お薬もらったら、帰るのが病院じゃないの…?
「風上さんおひとりでしょう?病人には看病が付き物。だから私の家で医者である私がすれば1番良くないですか?」
「……あ、理屈は分かるんですけど…ご迷惑では…」
「いーえ、全然。まだまだ子供の大学生でしょう?立派な大人に任せなさい」
「で、でも…ご家族とか…」
「ああ、私独身ですし恋人もいませんので大丈夫ですよ」
「……」
_いいのかな、
今までも話聞いてもらったり雇ってもらったり、色んなことしてくれたのに、更に病人の世話なんて頼んじゃって…
「あーもう、また悩んでますね?良いですか?よく聞いてくださいね?」
「は、はい…!」
「私は風上さんのためならなんだって出来ます。むしろなんだってしたいんです。あなたの傍にいたいんです。だから遠慮なく私に甘えてください、甘えられないというのなら無理やりにでも。ねえお願いします、私をあなたのために頑張らせてください」
_床に片膝をついてまるで告白とでも言うようなセリフを言った先生の目は懇願の目をしていて。
本当に…僕のこと大事に思ってくれてるんだって、この時心の中にすっと入ってきた。
「………そ、そんなこと言われたら、これからも先生のこと頼っちゃいますよ…?寂しくなったら電話掛けちゃいますよ?意味もなくメールしちゃうかもですよ?…それでも良いんですか…?」
「…ええ、いいんです。それ"が"いいんです。他の誰でもなく私を頼って欲しいんです」
「…ばか」
「あなたのためなら馬鹿にだってなりますよ?ふふ」
「……っ!もう!その笑顔禁止!!!」
_ねえ先生?
僕は先輩のことをまだ忘れられない。
理由は色々あるけど1番はやっぱり"好き"なんかじゃなくて"愛してる"から。
先輩を愛してるから、
僕がいるせいで笑ってくれないなら僕は先輩の前からいなくなる。
僕が幸せに出来なくても、どこかで笑っていて欲しい。
その思いは嘘じゃない。
だけど先生には…
隣で笑いたい、
そう思う。
もしかしたらこの気持ちは、先生に先輩を重ねているだけかもしれない。
でも、僕、先生といるのが1番僕で居られる。
風上蒼太として笑える。
先輩の元ではこんなに笑えなかった。
だから
だから
先生。
「…ありがとう」ボソッ
「今、何か言いましたか?」
「いいえ何でも。お薬貰ってきますね」
「はい、ああ風上さん病人なんですからあまり走ったりしないでくださいね?」
「はーい」
「…葉山先生、待っててください」
____________
すみません、気付いていない方ばかりだとは思うのですが2020/05/30に"40"を誤って下書きに保存するつもりが完成ページにセットしてしまいました。
直ぐに削除致しましたが混乱させてしまったことお詫び申し上げます。
申し訳ありませんでした。
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