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灰色の瞳
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カーテンから差し込める陽の光
窓の外から聞こえる微かな飛行機のエンジン音
朝だと悟って目が覚めた
「…ん……今何時だ…」
最後にスマホ弄ったのいつだったかな…
殆ど目が開かない状態でゴソゴソとシーツの上を手探りで探す
なかなか見つからずにやっと意識が覚醒しだし薄く目を開きヘッドボードにあったスマホを手に取った
今朝の10時か
馴染みのない部屋を見渡してすぐに雪の顔が浮かんだがその姿はなかった
そうだ
昨日の夜、隣であんな…
あの後俺がトイレに行って何をしたかは言うまでもなく
落ち着いてから寝室に戻るとスヤスヤと眠る雪がいて
なんとなく同じベットに入るのはまずいような気がして
もう一つのベットに潜り込んだ
なかなか眠れずに少し過ごし
微かに聞こえる寝息だけでもさっきまでの出来事を思い出してしまいそうだった
あれは何だったんだ?
夢だと思いたい
でも夢の中では感じられない匂いと体温
朝を迎えた今でも鮮明に思い出せる
思い出すのはまずいので直ぐにベットから降りて寝室を出た
「瞬兎さん、おはようございます」
扉を開けると朝シャワーを浴び終えたばかり雪が白いシャツを前も閉めずに羽織り下はジーパンを履いていて濡れた髪にタオルを乗っけて無造作に髪を乾かしながら挨拶をしてきた
冷静に見ると背はまだ小さいものの全体的にスタイルがスラッとしていてすごく良い
学校に通っていたらモテるだろうな
「おはよう、こっち来て」
「…?はい…」
「前ちゃんと閉めないとお腹冷やすだろ」
ポタポタと濡れた髪から滴が落ちる中、シャツのボタンをとめてやる
雪は黙ったまま閉め終えるのを待っていた
弟ができたみたいだ…
なんだか可愛い
「ほら、もう良いぞ」
そう言って視線を上げると髪の毛隙間から綺麗な二重の灰色がかった瞳が覗いていた
陽の光でより色素が薄くなっていて
油断した途端に吸い込まれそうだ
「ありがとうございます、子供みたいですねボタンをとめてもらうなんて」
「まだ雪は未成年で子供なんだよ、少なくとも俺にとっては、朝ご飯は何作ろうか、いや今から作ると昼ご飯になるかもだな」
「簡単なもので良いですよ、僕が贅沢する権利は無いので」
光を遮断するように瞼を伏せる
きっと特別な状況に置かれていたとしても罪の意識を忘れないよう彼なりに考えている
彼の要望通りに冷蔵庫の中にあった食材で簡単なチャーハンを作った
でもきっと少年院よりはご飯の味が美味しくなってしまったかも知れない
食べたことはないしイメージだけど
目の前で美味しいと呟きながらチャーハンを口に運ぶ彼を見ながら自分も食べ進める
すると突然、携帯の着信音が鳴り響いた
「はい、高倉です」
『おはようございます、中谷です』
刑事の中谷さんからの初めての電話だった
まぁ、まだ今日で2日目だから当然かも知れないけど
「おはようございます、どういたしましたか?」
『いや、もう一つ頼みたいことがあって。カウンセリングと並行して家庭教師もお願いしても良いかな』
もちろん給料も上乗せになるなんて続けられるが別に給料なんてどうでも良かった
実際俺は大学生時代に家庭教師のバイトもしていたことがあった、担当した生徒達はすべて志望校へと合格させる事ができていたし
まぁ、生徒達が良い子ばかりで自習もしっかりと行っていたから当然の結果と言えばそれまでだけど
自分にとってその経験はとても良い思い出となっていて
家庭教師をしてくれと言われても苦ではなかった
「分かりました、やらせていただきます。」
『ありがとうございます。電話口で申し訳ない、雪は事件当時の14歳の中学生2、3年レベルの勉強から、現在の16歳高校1年生レベルまでの勉強を教えてやってほしい。
少年院でも授業はあったが正直雪以外の周りが問題児だらけだったと聞いていて復習も兼ねてしっかりと教えてあげて』
「承知致しました。また何かあれば宜しくお願いします。」
電話を終わらせ雪に家庭教師も担当することになった旨を伝える
雪は嫌な顔一つせず頑張りますと口にした。
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