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『明かされる真実』
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「おはよーさーん 」
「おっはよー」
まさに今起きましたよ風をアピールしながらいざリビングへ。
「……おはようの時間だと思ってるのかな」
疑問符も何もつかないこのセリフは言わずもがな緋色です。
「……あれ刹は?」
わざと緋色には触れず。緋色には触れず、式にたずねる。
「……学校、だよ。」
……?なんか式……
「休みなのに?」
「生徒会の集まりがあるからって朝出かけたよ。」
緋色が答えながらポン、とオレの頭にカップを乘せる。
「あ、コーヒー。さんきゅー。」
「ぇ?俺には?」
「自分で作りなさい。」
……白葉には意外とみんな優しくないよね……
「なーんだそっかー。じゃぁ式今日は俺とゲームしよーぜ。」
気のせいか式が少し元気ないように見える。少し頭を傾げて いいよ、と頷いた。
「………雨も白葉もご飯作るから
まず顔洗うなりしておいで。」
…………なんだか式が元気ない。
「しーきー。どしたん。緋色に怒られた?」
ふるふると頭を振って眉毛をさげて俺を見る式はやっぱり
どこかいつもより元気がなくて。
「式が元気ないと俺悲しー……」
ぎゅううううっと身体を抱きしめてやると
いつもは抱きしめ返してくれるのに
何もせずただ黙っていた。
「式。」
鋭い声で式の名を呼んだのは俺ではなく、緋色だ。
「…………。緋色、ごめん。オレ……」
緋色を見れば今までみたことないような険しい顔で式を見ていた。
「このまま 雨の側にいることは
出来ない。」
式は俺を見ていた。とても辛く、哀しげに。
オレは悟った。
多分いま、式にこんな顔をさせてしまった原因を作ったのは
俺だ…
白葉は何も言わなかった。
俺も緋色も何も言わなかった。
次の式の言葉を 待つために―――
「全て、話すよ。雨。例え俺が嫌われても、キミが望むなら知ってること全て話す。」
式のこの言葉で 再びパズルのピースが動き出した。
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