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25 《一時》
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《一時》
自販機探すのに手間取った。
ポカリ買って来ると、ここにいろと言った所に、あの子が居ない?!
カバンが置いてあるから、そう遠くには行ってない筈だ。
「なつき!!何処だ?!」
トイレ、か?
居た!
トイレに蹲り、涎と涙流して吐いている!
「なつき!」
「あ……守谷…さ…。」
見ると、胃液しか出てない。
これ、結構苦しいんだよな?
「……だいじょ…ぶ。
動けるように…なったら、学校行き…ますから、守谷さんは…先…帰って……?」
そんな時でも笑って。
なんでだろう。
哀しくなった。
「ぅ…うぇ……っっ!!」
大丈夫じゃねーだろ?!!
「ちょっと我慢な?」
口に手を入れてお腹を押す。
「ゲフッッッ!!!ゲボッッ!!」
胃液を大量に吐いて、ぐったりと俺の腕にもたれる。
それを数回繰り返す。
「……吐き気は?」
力なく首振った。
どうやら、吐き気は治ったらしい。
「行くぞ?」
ぐったりしているなつきを、抱え上げた。
なつきは、脱力したまま目を閉じてる。
そのまま、そろりとベンチに座らせる。
カバンと一緒に置いてあったポカリ。
よし、まだ冷たい。
なつきの額にそっと当てた。
「……いい気持ち……」
目を閉じたまま、うっとりと言う。
「吐き気はないか?」
こく、と頷いた。
「じゃあ、ちょっとだけ飲んでみるか?」
脱水症になったら怖いからな。
ぼんやりしてる。
栓を開けて、差し出す。
でもまだ、ぼーっ…としてる。
飲まさなきゃダメか?
ポカリを口に当てるとこくん、と飲んだ。
「……おいし…。」
「自分で飲めるか?」
ポカリを渡してやると、こく、こく飲んでる。
これで一先ず安心だ。
隣に座って、一口ずつ飲むのを見守った。
しかし、この後どうしよう?
やっぱ、送って行くべきか?
ずっ……と肩に重みがかかる?
「おいっ?なつき?」
ペットボトルを両手で持って、なつきが俺に凭れて、こっくりこっくりし出した。
ペットボトルも、揺れてる!
「おいおい、なつき!」
慌ててペットボトルを、持つ。
なんとかセーフ……。
ずるっ…と今度は俺の膝の上に頭を乗せて、完全に寝入ってる……。
「おいっ!なつき!?」
……起こそうと思って言い掛けて……
なつきのまだ青白い顔を見て止めた。
まぁ一時間くらい寝るのもいいかもな。
ため息を吐いて、なつきに自分の着ていた上着をかけた。
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