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92 《一時》
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《一時》
「……こっちで休め。
両親に連絡は?」
「……今晩は一人なので…。」
目を逸らせて、那月が言う。
「そうか。」
電気を消して、部屋を出る。
「あの…!
守谷…さん……」
暗がりの中で、那月の声がした。
「……もう遅い。寝ろ。」
「……は…い。
おやすみ…なさい……。」
ドアを閉めた。
なんか
なんか考えがまとまらない。
那月が経験があった。
今回はレイプだが、前回は?
同じように襲われた?
……考えたくもないが……好きで関係を持った?
いや!!
まさか!!
あの那月だぞ?
お人好しで鈍臭くて仔犬みたいに尻尾振ってくる那月だぞ?
有り得ない!!
そうだ、有り得ない!
絶対に襲われたんだ!
と……思うけど、もしかしたら?
涙目で見上げてくる瞳
可愛い女の子のような顔
うぅ……グルグル、グルグル思考が……!!
「……晴、送って行く。
用意しろ。」
那月は寝かせたし、晴を送って行って頭を冷やそう。
「えー!泊めてくれるんじゃー?」
「ダメだ。」
ぶうぶう文句言いながら、用意する。
駅までの大通りまで送る。
「じゃ先輩、また!」
「その……晴…ありがとな?」
晴が思いがけないと言った顔した。
「水臭いなー、先輩と俺の仲じゃないですかー?!
って事で、今度の昼飯は先輩の奢りでステーキで!」
「ああ。」
「……先輩…熱があるんじゃないっすか?
何言ってるー!って普通怒鳴るとこですよ?」
「いや…今回はな。」
俺一人じゃ頭に血が昇るのを止めてくれた。
那月の後始末も治療も。
「じゃあな。」
「……先輩、那月くん身体も心も……お願いしますよ?」
真面目な顔で言う。
「当たり前だ。」
晴に言われなくてもそうする。
「心配だなぁー……
って事で明日先輩は休みで!」
「はっ?」
「あの状態の那月くん放って仕事に行くはずない…でしょ?」
「……わかった。
連絡入れとくからフォロー宜しくな?」
「OKです!
ステーキ楽しみにしてまーす!」
晴がにっこり笑って言った。
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