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「なんだよ」
「成海……間違えた」
アキヨシだ、やべぇ。うっかり。
深谷は、自分が呼び間違えられたと思って爆笑してうずくまる。そんなに?
「お腹痛い。ひどい。すげー。ひどい………」
「削除しといて」
「無理。機能ない」
「実装しとけよ」
「無理。は、…………ひでーな、お前」
「ごめん。………アキヨシと何話してたの」
俺もしゃがみこむ。無理。立てなくなりそう。
歳取ったなあ。
「あー? なんか、あいつムカつくな?」
うーん。やっぱり。あいつ喧嘩売ったか。だから関わらせたくなかったのに。本人は厭がるけど、成海って、ほんと女っぽいとこありすぎだ。
「なんか言われた?」
「えー。なんか……………小学生みてぇ。あいつ」
「あそ」
「………………」
「…………………なに」
「………………あんま酷いことしてやんなよ?」
「はあ?」
意味不明だ。
「別に。たいしたこと話してねーよ」
「なんだよ酷いことって」
「つーか、それ気にしてこの仕打ち?」
深谷は濡れたティーシャツを引っ張る。ずぶ濡れにしてごめんね。
「それもあるけど」
「けど?」
「………………中に着てんのが一番ムカついた」
「一回死ね」
「一回しか死ねない」
「あ。ありんこ」
小学生め。
「なー。田舎の蟻ってデカいのいるよな」
「知らん」
「北海道ってゴキブリいないのマジ?」
「知らん」
「…………………お洒落な雑貨屋」
「……………………………Francfranc?」
子供みたいに深谷は笑った。
可愛いな。犯したい。
……………その服着せたままで。立ちバックで。
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