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考えごと
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「安心しろ」
帳は相変わらず庭を眺めながら、未だ自分の体をささえている遥の放った言葉を思い出していた。
遥は何か言う度に「安心しろ」と言う。もちろん帳を安心させるためだろうが、彼はそれが気がかりだった。
「…んー……」
「うん?どうした?」
「え?ぁ、いや……何も無いです」
しばらく考えているうちに声が出ており、それが遥の耳に届いていた。
「…そうか?何か悩んでいるんだったら遠慮せず言え。それと、俺は言われないと分からない」
その言葉を聞いてきょとんとする帳を見て、遥は少し頬を赤らめてそっぽを向いた。
それを見た帳も、何故か恥ずかしくなり、慌てて庭に向き直った。
「………はるちゃん戻ってこないねぇー」
「帳君のとこ行ってんスよ、きっと。やっと会えたんスから」
「そりゃそーね。あ、そーだ小野!」
「……なんスか…?」
夕飯を作っている美琴が急に台所をガサガサといじり始め、それを見た小野は一瞬で構える。
この光景は何度もあった。今までに。
(台所をいじりだした美琴さんは……)
ヒュヒュッ
「うわ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あああああ!?!?!」
(わかってても無理だあ″!!!)
包丁が2本飛んできた。
それも頭と心臓、急所を狙って。
「おお〜!せーちょーしたねぇ、小野ぉ!前までは肩とか怪我してたのにぃ〜」
「何時の話してンスか!!!」
恐怖で顔を青ざめながら、小野は美琴へ抗議を始めた。
「てゆーかほんとに急にしないでくださいよ!!それと急所を狙うのもやめて!!俺死んじゃう!!!」
「はぁ〜?こーゆーのはねー、急所を狙わなきゃ意味無いんだってぇ。あんたも知ってるっしょ?」
「知ってます!知ってるっスけど!」
「…ケドなによ…?」
「あんた元殺し屋じゃないっスかぁ!!!」
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