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嫌いなやつ2
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先生からようやく解放されて、こいつともオサラバだと思ったのに………
「あ、生徒会活動の様子見たいから生徒会室邪魔するぞ。」
まだ無理そうだな………
「は?見なくていいよ。来るな。」
頼むから早くどっか行け…………
「はいはい。」
なんて言いつつ俺についてくる、100%もう生徒会室まで来る気だろう。
それにしても……
「慎也、お前彼女いんの?」
なに普通の友達みたいに話しかけてくるんだよ………
なんでお前と恋愛話しないといけないんだよ、俺とお前は恋敵みたいなもんだろ!!
「いるけど、なにかアンタに関係ある?」
「別に…聞いてみただけ……」
「あっそう。」
ただ恋愛話したかっただけか!!そういう仲じゃないのに………
「じゃあ好きな人は?」
面倒な質問がきたな………お前と同じとか言えないし…
「いるよ、てか彼女いるって言ったじゃん。」
「好きな人=彼女じゃないだろ。」
「そりゃね。」
だけど仮にも教師になろうってヤツがそれを言っちゃダメだろうよ。
ブーーブーーーー
ブーーブーーーー
バイブ音がしつこく聞こえてくる。
仕方なくスマホを取り出すと、着信が3件。兄さんからだった。
折り返し電話しようとするとまたかかってきた、もちろんすぐに出ましたとも。
「あっ、もしもし?兄さん?」
なんてったって兄さんからの電話ですから!
『慎也?今日急にバイトになったから、晩御飯俺の分要らなくなった!一緒に食べる予定だったのに………ごめんね……』
えっ……兄さんと一緒に食べると思って色々材料準備したのに………
「バイトなら仕方ないね、頑張って。夜ご飯はまた今度。じゃあ俺今からちょっと忙しいから切るね。」
仕方ない…1人で食べるか…………せっかく良い肉とか用意したのに………
『うん、慎也も頑張って!また後で!』
うわあ………そう言われたら頑張るしかないよなあ……
電話が終わって、耳からスマホを離した、その時ーーー
ガシッーーーーーー
思い切り手首の辺りを掴まれた。
「………ッ??何して、」
チラリと顔を見ると、まるで憎悪に満ちたような目をしていた。
ちょっ…怖いって…
「今の浩也だよな………?」
凄まじく低い声で尋ねてくる。
あ、そう言えばコイツ兄さんのこと好きなんだっけ………それで兄さんから俺に電話が来たからこんなに機嫌が悪いのか……?
「だったらなに?おい、痛い、離せ。」
俺の手首を握っている手にさらに容赦無く力がこもる。
マジで痛い………
「俺からの電話には出ないくせに…」
ギギギって音が聞こえそうだ。
「………?…ッ…痛……」
今なんて言った?
そのまましばらく睨み合った。
「会長ーーー!会議始まるッスよーー!」
俺を呼びにくる天谷の声。
「ああ、今行く!」
天谷に遠くからでも声をかけられたおかげで、手首の束縛が解けた。
ちょっとマシになったもののさっきの険悪な雰囲気は無くなりはしない。
それでも俺と一緒に生徒会室に来ようとするコイツの無神経さに腹が立った。
やっぱり嫌いだ。
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