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:知らない感情
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わっ…!と音に驚いて俺のほうに身を寄せる
反射的に抱きしめる。小柄なそいつは怯えるように俺の胸に顔を擦り付けてきた。
「っ、時間を知らせるチャイムだろう。」
だから大丈夫だ、という意味を込めて柔らかい髪を撫でる。
「チャイムだったんですね、大きい音だったのでついびっくりしてしまいました…。」
「古いからな。びっくりさせてしまったならすまない。」
「大丈夫です!すいません、僕ってば…」
ありがとうございます、と俺から離れようとするそいつを俺はさっきより強い力で抱きしめた。
困惑しているという顔をしながら俺を見る。
────離したくないと思ってしまった。
俺は慌てて手を離す。
「そろそろ式の時間になる、送ろう。」
戸惑う気持ちを隠すように足を進める
(今のはなんだったんだ……)
味わったことない感情に俺は困っていた。
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