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にじゅうろく
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次の日_
昨日、会長と話し合ったことを冬弥先輩、弥生先輩に説明した。
案の定、良い反応は無く…
「めんどくさー…なんでそんなの提案しちゃうかなー」
「俺も同様。別にいつも通りでいいと思う」
ですよねーとか心の中で同意する。
「てか優真だってめんどくさいこと嫌いでしょー?なんでこんなこと言ったの」
「…確かに」
あ、声に出てた…
「だよねー!類ちゃん!」
だって、本当にこの生徒会は面倒くさがり屋が集まってるのに。
「別にいいだろ。それに……」
会長は何か言いかけたあと弥生先輩、冬弥先輩と順々に耳打ちしていく。
冬弥先輩は耳打ちの後、ほほう、とでも言いたげな顔で顎に手を当てて
弥生先輩はちらっと冬弥先輩を見たあと、ま、まぁいいんじゃない、ってちょっと照れ気味に言った。
「………?」
一体何を言ったんだ、櫻井優真。
「え、っとそれで結局お2人はオブジェ作り賛成…」
「する」
「するに決まってんじゃーん!」
「さっきと意見が………ごほん、ではこれで決定ということで。会長大丈夫ですか?」
「おう」
「はい、それではかいさ…ってなんで俺が仕切ってんですか?!会長が言ってくださいよ!」
つい、その場の雰囲気でまとめちゃったけど会長の仕事奪ってるし…
「えー…じゃ、解散」
「お疲れ」
「おつおつ〜!」
「お疲れ様です」
会議が終わったらいつも我先にと冬弥先輩と弥生先輩が帰っていくけど、その理由がわかった今、幸せそうだな、なんて少し羨ましい。
少しぼーっとしていると突然、部屋の電気がフッと消えた。
「…ッ!!!!」
な、な、何?!停電?!?!
「って…」
ふと周りを見るとただ会長が部屋の電気を消しただけで停電では無かった。
「会長、今日は会議室残らないんですね」
「あぁそろそろ出ろってうるさいんだよ」
「そうなんですか」
いつも、会議が終わっても残ってたから部屋の鍵を閉めてる場面を見るのが不思議。
会長は鍵を職員室へ返していくらしく、あわよくば一緒に…なんてことは無かった。
生憎、俺の教室と職員室は全くの逆方向で離れていく背中を見つめることしか出来なかった。
「…戻ろ」
いつまで経っても恋に現を抜かしてる暇なんてない。
会長だって、来年には生徒会を引退する。
それまではただの…普通の後輩で居ないと。
「………」
どうしても気持ちが苦しくて、そういえば、とポッケに入れたままだったチョコを頬張る。
今度のチョコは甘くて甘くて、甘すぎて泣きそうだった。
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