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こうして始まった高尾くんとの生活。よく考えれば、これは高尾くんにとり憑かれたということではないんだろうか。
高尾くんは、ボクの横にずっといる日もあれば、一日中どこかへ行っているときもある。ただ、ボクが高尾くんと呼べば一瞬で帰って来てくれる。幽霊って、なんなんだろう。どこでもドアではないけれど、距離みたいなものは無視できるのか。足は確かにきちんとあったし体も透けてはいなかった。ボクが歩いている時には普通に、そこらへんの人となんら遜色なく歩いていた。
体は透けていないが、触れるのだろうか。
なんだかんだと、この生活も一週間経過した訳だが、彼に触れたことは一度もなかった。彼からも触れられることはなかった。
前にみたいに引っ張られることはない。だって、今は立場が逆なのだ。
彼しかボクが見えなかった関係は、ボクしか彼が見えない関係になった。
なかなか皮肉なものである。
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