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飲み物とってくるね、空になったグラスを持ち上げて席を立つ彼女が如何してか気になって
半分以上残っていた残りの飲み物を一気に飲み干して後を追った。
「ナノカちゃん」
「、楢崎くんもおかわり?」
「うん、そんなとこ」
七日ちゃんはグラスを持ってドリンクバーの前で機械を人差し指で順番に指差しながら何にしようか迷っているようだった。
声をかけると一瞬驚いたような表情をして大きな瞳をぱちりと瞬く
と、頬を林檎色に染めて少し恥ずかしそうに
「…みた?」
「え?うん、どれにするの?」
「えっと決められなくて」
「そっか。俺いつもこれ飲んじゃう」
何か不味かったかなと考えつつ過ぎたことは仕方ないとメロンソーダを指差す。
「楢崎くんっぽいね」
「炭酸が似合うってこと?」
「ふふっ、そう」
じゃあ私もそれにしようかな、とナノカちゃんのグラスはシュワシュワと弾けるエメラルドに染まっていく。
ギリギリまで注がれるのを眺めていると
炭酸の泡が溢れそうになって
二人して慌ててしまい顔を見合わせて笑った。
自分の分のメロンソーダをグラスに注ぎながら
さっき言われたことを思い出した。
律儀に俺が注ぎ終わるのを待ってくれている彼女は
このあと皆がいる部屋に一緒に戻ったら騒がれるなんてことわかっていないんだろうな
「ナノカちゃんはどうして今日来たの?」
「へ?」
「ナノカちゃんもあんまりこーゆーの参加しなさそうだなって思って」
一瞬考える素振りを見せてナノカちゃんは他の子には内緒にして欲しいとこっそり教えてくれる。
「実は、好きな人がいて…」
「ん?」
「あんまり、よくないとは、思うんだけど…」
顔を真っ赤にして一生懸命に言葉にする彼女はとても可愛かった。
要約すると、好きな人に好きとは伝えているけれど
友人止まりで全く意識されないので気を引くために今日はここに来たという
「こんなことしても何とも思わないのはわかってるけど、もしかしたら心配、してくれるかな?って思ったら」
罪悪感みたいなものがあるのか
ナノカちゃんは少しバツの悪そうな顔をする。
ふわふわ
ゆらゆら
ナノカちゃんの感情に合わせるように揺れる髪
恋する女の子ってかわいい。
正直、羨ましいと思った。
「ナノカちゃんの好きな人は幸せだね」
「え?」
「こーんな可愛い子にそんなふうに思ってもらえるて羨ましい!ナノカちゃんの恋が実るのを祈ってるよ」
恋することが許されている彼女が羨ましい。
最低な思考が頭の片隅に浮かぶ。
そろそろ戻ろうか、と彼女に促した。
前を歩くナノカちゃんはグラスいっぱいのメロンソーダが溢れないように最新の注意を払いながら部屋へと戻る。
カラオケルームへ戻るとやっぱり二人でどこに行ってたんだとかちょっと騒がしくなった。
ナノカちゃんは慌てながら素直に答えてる。
俺は自分の邪な思考が嫌でまた被りを振って
作った笑顔でてきとうに友人に返事をした。
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