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クリスマス番外編。ケン〇のあの歌ってそう聞こえる。
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「こ~としもクリ~スマスがやあってくる~♪
たーのしかった~、できご・と・も~忘れるよおにぃ~♪」
信と葵が共にキッチンに並び…
今夜のクリスマスを二人で祝うための料理を作っているさなか…
葵は上機嫌でケ〇タッキーの例の歌を歌うが――
違和感を感じた信が早速ツッコミを入れ…
「…違くね?
つか音痴だなお前……以外。」
「むぅ~…仕方ないでしょ…?
俺、あの人のところにいた時テレビとかあんま見せてもらえなかったし…
それにスマホだって色々制限かけられてて
まともに使えたのが通話とメールアプリくらいでろくに調べる事も――
てか音痴って…!」
葵がスライスしたトマトにモッツァレラチーズなどを乗せていたその手を止め――
隣の鍋で牛肉などの具材を炒めている信にムスッとした視線を送る…
すると信がその鍋の中に赤ワインを加え…
強火でアルコールを飛ばしながらフッ…と苦笑を浮かべ――
「…事実だろ?
むしろあんな短い歌をよくもそこまで音程外して歌えたもんだ。
逆に驚くわ。
そしてその歌詞も違うって言う…」
「むっ……じゃああの歌の正確な歌詞は何なのさ…?」
「う”っ…それは――俺も詳しくは知らんが…」
「ほらぁ~…」
「だが“楽しかった出来事”を忘れちゃ駄目だろう…」
「!それは――そーだけど…
じゃああの歌の正解は?」
「ん…?ちょっと待て…
Hey siri。」
信が近くのワークトップに置いておいた自分のスマホに話しかけると
例のポーン…という音が鳴り――
「ケン〇ッキー、クリスマスのCM。」
『ケン〇ッキー、クリスマスのCMでヒットした動画を再生します。』
するとスマホの画面には見覚えのある例のCMの映像と音楽が流れ始め…
『ク~リスマスが今年もやあってくる~♪
悲しかった~出来事を~消し去るように~♪』
「あー…“悲しかった”ね~…」
「ほ~…こんなんだったか…
いや俺も何故か“嬉しかった出来事を消し去るように~”って記憶してたから
なんつーCMだと…」
「なんだ…信も間違ってたんじゃん。
しかも俺より酷くない?嬉しかった出来事消し去るって…」
「…楽しかったも似たようなもんだろ…
しかもお前の場合は出だしから間違ってるし…」
「あー!自分も間違えといてそういう事言っちゃう?!
信って大人げな~…」
「はいはい、俺は大人げない大人ですよ。
それよりそのオードブルの盛り付け終わったら
オーブンから鶏肉を出してもらえるか?そろそろ余熱で火が通った頃だろうし…」
「は~い。」
信が鍋に水を加えながらそう言うと
葵はモッツァレラチーズの上に塩と胡椒をパラパラと降ったあと
オリーブオイルをかけ…
最後に茹でたバジルでカプレーゼの飾り付けを終えると――
早速手にミトンを嵌めながらオーブンからアルミホイルに包まれた
いい香りのする鶏肉を取り出し…
「うわ……もう匂いだけで美味しそう…」
「まだ下準備の段階だ。
とりあえず熱が冷めるまでそこに置いておいてくれ。」
「ん。分かった…
ねぇ…信…?」
「ん~?」
「…今日――ホントーに二人っきりなんだよね…?」
葵が鍋を掻き回す信の背後に立つと
両手を信の腰に回しながらギュッとその身体を抱きしめ…
「!あ…あぁ……そーだ。
お前も聞いていただろ?仁の奴が今朝朝食の時に
「麻薬絡みで今日明日帰れそうにない。」って言ってたのを…」
「うん……それにしても――あの時のひとくんの顔!フフッ…
ホントーに酷かったよねぇ~…」
悔しさがにじみ出ていた仁の顔を思いだし…
葵は湧き上がる嬉しさを隠そうともせずクスクスと笑い出し――
信もつられて呆れた笑みを浮かべる
「喜びすぎだろう…」
「ウフフ!だ~ってぇ~…久しぶりに二人っきりなんだもん…
そりゃ嬉しいよ…」
葵は甘える様に背後から信の肩や首筋に頬をすり寄せ…
信は鍋を掻き回していない方の手で
自分の腰に回されている葵の手にそっと自分の手を重ねると
信もまた葵の頭に頬をすり寄せ…
「…まあ……俺も嬉しいんだけどさ…
葵…」
「ん…?」
葵が顔を上げると
信の唇が肩越しに葵の唇とそっと重なり…
「愛してる。」
「ッ…俺だって――愛してる…」
今度は葵から唇を重ね…
二人の気持ちはどんどん高まるが――
信が不意に後ろ髪を引かれる想いでその顔を引き…
「ッちょっと待った!
続きは――料理を作り終えた後にな。」
「…食べ終わった後じゃないんだ。」
「…我慢――出来るか…?」
「ん~…多分無理。」
「だろ?」
二人は互いの額をくっつけあいながらクスクスと笑い――
「ねぇ信…」
「ん?」
「メリークリスマス。」
「…クリスマスは明日だがな。」
「もうっ…揚げ足取らない!」
「フッ…はいはい…
メリークリスマス葵…」
「ん…」
そう言うと…
二人は今度こそ互いの唇を深く重ね合った…
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