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恋人。
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「ぐっ…、」
「オラっ!ショーが終わるまでの間、そこで大人しくしとけよテルちゃん。」
「ショーが終わったらまた俺達の相手してね~!
残業手当は出ないけど、気持ちよくしてやっから!アハハハハ!」
先程まで散々加納を弄んだ男達がある一室にバスローブ姿の加納を放り込むと
そのまま鍵を閉めて立ち去って行き…
「、ッ、…っきしょうアイツ等…っ、、
好き放題しやがって…!」
深紅の絨毯が敷かれた床の上に無造作に投げ出された加納は
うつ伏せのまま…何とか起き上がろうと絨毯を引っ掻くが――
思うよに身体が動かず…
「ッ、」
―――クソッ…、
加納は起き上がる事を諦め…絨毯の上で力を抜くと
深い溜息を吐きながら目を瞑る…
―――…それにしても……何であんな所に信が…?
しかもあの様子だと御手洗に捕まっているようにも見えたが…
信の手首にジャラジャラと着けられていた手錠や――
首に嵌められていた黒い首輪を思い出し
加納が微かに眉を顰める…
―――何があったのかは知らないが…
アイツは――俺とは違って
簡単に御手洗の罠なんかにハマったりしないハズだ…
それなのに何故アイツが御手洗なんかに捕まって…
「くっ…、」
散々啼かされた喉がヒリヒリと痛み…
今頃になって骨が軋むような鈍い痛みが全身を襲い
加納が思わず小さな呻き声を上げる…
するとそこに誰かが自分に近づいてくる気配を感じ――
「ッ、だれ”だ…っ!」
緊張で全身を強張らせ…
見えない位置にいる人物に向け、加納は掠れた声で精いっぱいの威嚇の声を上げる…
すると自分に近づいて来ていた気配がピタッと止まり…
「あ……あのっ…、
大丈夫――ですか…?」
「ッ…?」
加納は何とか首だけを動かし…声のした方に恐る恐る視線を向けてみると…
そこには薄紫色のベビードールランジェリーを着た
若くて綺麗な顔立ちの女性が膝に手を突き…
中腰になりながら心配そうに床に倒れている加納の事を覗き込んでいて――
「…??」
―――おんな…?何で女が此処に…………ん…?
ちょっと待て。
加納の視線が女性の顔から胸…
そして下半身へと向けられ――
「―――ッ!?
お”…まえ”っ!、おと――ゴホッ、ゲホゴホッ、」
「ッ!?あ…、」
咳き込みだした加納に女性?は慌てて近寄ると、うつ伏せの加納を仰向けにし
そのまま加納をゆっくりと抱き起していき…
「そのっ…大丈夫ですか…?
何処か具合が――」
「ッお前…、ッ、男…っ?!」
「あっ……よく間違われます。女の人に…
それより――あそこの冷蔵庫に水が入ってたんですけど…
飲みますか…?」
「あ…あぁ…ゴホッ、、ッ、頼む…」
加納がそう言うと少年?は近くに設置してある小型の冷蔵庫を開け
中から一本のペットボトルを取り出すと
オドオドとした様子でそれを加納に差し出し…
「はい……お水…」
「あぁ…、ッ、あ”りがと…」
少年から差し出された水を受け取ると
加納は早速蓋を開け、中の水を喉を鳴らしながらごくごくと飲み干していき――
「ップハァ~~~…」
―――浸みるぅ~…
何時間も水分も取らずに酷使され続けた喉と身体は
浸み込んできたその冷たい水に喜びで震え…
加納は暫くペットボトルを握りしめたまま俯き、押し黙る…
すると少年が心配そうに加納に声をかけ…
「ッ、あの――」
「お前――何で此処に…?」
「え…?」
俯いていた加納が顔を上げ、少年の方に目を向けながらその口を開く
「此処は俺専用の待機室だ…
なのに何でお前みたいな子供がそんな恰好をして此処に居るのかと聞いている。」
「あ…俺――黒いスーツの人達に連れて来られて…
ショーが始まるまでここで待っている様言われてそれで…」
「………」
―――ショーが始まるまでって事は…コイツもショーの出演者か?
確かに綺麗な子ではあるが――
御手洗の趣味じゃないだろ…
何だってこんな子が此処に――
加納が怪訝そうに少年を見つめたまま再びペットボトルの水を飲み始めると
少年は俯きながら言葉を続け…
「…のぼる――今頃どーしてるかな…
酷い事されてなきゃいいんだけど…」
「ッ!?、プハッ、、ちょっと待てお前…っ、
今“のぼる”っていったか?!」
「…?言いましたけど……それが何か…?」
「っお前の言っているその“のぼる”ってのはひょっとして――
さいが のぼるの事か…?」
「ッ!知ってるんですかっ?!信の事…」
「ああ…」
加納はもう一口水を啜ると――
少し言い辛そうに口を開き…
「知ってるも何も俺と信とは昔、一緒の組織で働いていて…
それよりもお前――名前は?」
「あ…、たかみ――じゃない…
斎賀 葵です。」
「さいが…?
って事はお前さん――信の兄弟か何か…」
「あ!違うんです。これには事情があって…
とりあえず今は信の弟って事にしてるんです。」
「ふぅ~ん……事情ねぇ…
まっ!お前らにどんな事情があるかしんねーけど…
これでやっと一つの謎が解けたわ…」
「謎…?」
加納はペットポドルの蓋を閉めてから小さく息を吐くと
改めて葵の事を見つめながら口を開き…
「葵さんアンタ……御手洗のヤツに誘拐かなんかされて――
ここに捕まってるんだろう…?」
「ッ!?どうしてそれを…っ、」
「やっぱりなぁ~……おかしいと思ったんだよ…
あの信が大人しく御手洗に捕まるなんて…
けどこれで原因がハッキリした。
お前さんが御手洗に人質に取られたから信は――」
「…ッ、」
加納の言葉に…
葵の顔がみるみるうちに泣きそうな顔へと変わっていき…
「あ…わりぃっ!別にお前さんを責めているわけじゃ――」
「…ううん……やっぱり俺のせいなんだよ…
俺があの時みんなの言う事聞いて逃げていれば
信もひとくんもこんな事には…っ!」
葵が青ざめながら更に泣きそうになり…
そんな葵にどう声を掛けたらいいのかが分からない加納があたふたしながら
ふとベッドに目を向けるとある事を思いつき…
「ッそうだ葵さん!ちょっと手を貸してくんねーか?」
「………え?」
泣きそうになっていた葵が加納の方を向くと
その場から立ち上がろうとしていた加納がフラフラしながら前のめりに転びかけ――
「!ちょっ、、危ないっ!」
「ッ、」
転びかけていた加納を葵が咄嗟に受け止め…
加納は未だプルプルと足を震わせながら受け止めてくれた葵に対し
申し訳なさそうに笑うと――
葵に向けて話しかけ…
「ッ…わりぃ……ちょっとそこのベッドに座りたくなってさ…
悪いんだけどそこまで肩貸してくんない?
ほら俺――御覧の通り今はこんな調子で全然足腰立たなくって…」
加納は葵の胸を押し…何とか一人で立とうとするが――
やはり足に力が入らず…
再びよろけながら葵に寄りかかってしまい…
「………分かりました。
だったら俺の肩に手を回して――」
「…悪いな。ホント…」
「いえ……しかっり掴まって。
それじゃあ歩きますよ…?」
「ああ…」
二人はよろよろと歩き出し…何とかベッドまで辿り着くと
葵はそっと加納をベッドに座らせ…
「フゥ~……助かったよ。ありがとう葵さん…」
「いえ~……それよりその足――どうしたんです?」
「あっ…あぁ……コレか…?
コレは何て言うかその――
腰を酷使しすぎたせいで腰回りの筋肉をヤられちまったって言うか何て言うか…
けどまあアレだ!こんなのは一時間も休めば歩けるようにはなるから心配するな!」
「ハハッ!」と加納は無理矢理作り笑顔を浮かべるが――
内心は自分を弄んだ二人に対して殺意を浮かべ…
「それよりもホラ!そんなとこ立ってないで…お前さんもココに座りな?」
「あ…じゃあ――お言葉に甘えて…」
ポンポンと自分の隣を叩く加納に促され、葵は加納の隣に座ると
小さく息を吐きながら身体の力を抜く…
すると加納が自分の持っていたペットボトルを葵に差し出しながら口を開き…
「水…飲む?」
「あ、いえ~…俺は結構です…」
「…そうか。
ところで――お前さんと信の関係は?」
加納がペットボトルの蓋を開け…
中の水を少し口に含んだところで
葵がキョトンとした様子で躊躇うことなく返事を返し…
「恋人ですけど……それがなにか…?」
「へぇ~…こいび…………………?
~~~~~~~~~ッ!?!?ちょまっ、ブハッ、、ゲホッ、ゲホッ、、
ちょ”っと待てお前今――
恋人って言ったか!?」
その言葉を聞いた瞬間――
加納は茫然とした様子で、蓋が開いたままのペットボトルを床に落としていた…
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