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安心
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次の日、俺は授業も受ける気にならなくて相談室で寝た。
「お前がそんな顔してるとか珍しいな」
とかいってアイツは俺を寝かせてくれたけど、昼になったら追い出された。
しょうがない...星音んとこいくか...。
寄ってくる一年を適当にあしらって、星音を呼ぶ。
星音は笑顔になって駆け寄ってきた。
屋上に行く。
風の音となびく星音の髪。
俺は決心して星音に言った。
「明日、ライブ来いよ」
星音のためのライブ。けど、来てくれるのかわからない。
これが、脅しみたいになって嫌われる原因なのか
そう思って冷や汗をかく。
「もちろんです。先輩の曲、楽しみにしてますね」
そういって星音は俺を気遣うように笑った。
よかった。来てはくれるみたいだ。でも、このままじゃいけない。
でもそれを聞いたら、俺の曲も、想いも、全部が終わってしまう気がした。
それはいやだ。
でも星音に無理をさせて自分の想いを通すのはもっとダメだ。
「先輩?どうかされましたか?」
気付いたらずっと無言で考え込んでいて、星音に怪訝な顔をされた。
まずい。
「いや...べつに...」
まだ言えない...言いたくない。すべてを終わらせる決断が俺にはできなかった。
「先輩。」
星音が急に真剣な顔で俺の顔をじっと見てそういった。
「...俺がうざいか?」
俺は消えそうな声でそうつぶやいた。
「俺が嫌いか?」
一瞬星音が無言になったのが怖くて、慌てて言葉を紡いだ
「うざいとも思いませんし嫌いでもありませんよ。ただ、少し恥ずかしいだけです。」
星音は少し照れた顔でうつむいて言った。
ああ、大丈夫だった。終わりなんてしなかった。
俺は安心してその場に崩れ落ちそうだった。
よかった...。
昼を食べて、明日まってろ、と約束を付けて気分もハイに教室に戻った。
教室にはだれもいない。次は体育だからか。もう行く気もないから机に突っ伏して考える。
「恥ずかしいだけです」
何度も聞いたそのセリフ。さっきも言ってた。
恥ずかしい、ってなんなんだ?
普通に流してきたけど、何が恥ずかしいんだ?
わからないけど、いいか。
ふと星音の照れた顔を思い出してしまい、慌てて自分の頭をたたく。
ダメだ。曲に集中しなければ。
俺の気持ちを届けるにはどうしたらいい?
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