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「君って教えるの上手いよね〜!すごく分かりやすいよ!」
「それはどうも」
「ねぇ、名前何って言うの?そう言えば教えてもらってなかったような…」
「そう言えばそうだったな…。俺の名前は新妻翔。改めてよろしく」
「翔か〜!いい名前だな〜!翔って呼んでもいい?」
「…お好きにどうぞ」
「やった!ありがとう、翔」
無邪気に笑うこいつの笑顔は
やっばり理玖に似ていて…
「…どういたしまして」
俺は思わず
顔を背けてしまった
「俺の事も想太って呼んでよ!ね?」
「…気が向いたらね」
「えー…」
少し残念そうにうなだれる想太…
「…本当…そっくりだよ…」
見ている事が嫌になるくらい…
胸が苦しくなるくらい…
俺の好きな人に似ている…
「…ははっ…本当…あいつにそっくり」
「……え?」
俺と同じセリフを吐いた想太
その瞳は切なげに揺れていた…
「…その仕草も…性格も…その目も…本当…そっくりだよ…」
「……想太?」
「ごめん。勝手に重ねちゃった…!昔の恋人に…」
「…っ」
何だ…
こいつも俺と同じこと…考えてたんだ…
こいつにも…昔…
大切に思う人がいたんだ…
俺と一緒で…
こいつの笑顔の裏には
何か人に言えないような…
悲しい過去があるような気がした
「…こんな俺だけど、よろしくね?」
「……うん…」
君があまりにも優しげな顔をして言うから…
俺は「うん」としか言えなかった
想太の過去を知るのは
もう少し先の事…
そして…
俺の日常が崩れ始める日がやって来るまで
そう遠くはなかった…
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