アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
奏の場合
-
「瑞希はやく行こーっ!!」
「おー、」
授業終わりと同時に呼ばれ、1年のクラスへ。
クラスを覗いてすぐ、先に俺らに気づいたらしい奏がガタッと勢いよく立ち上がった。
一緒におった男子が何事かと目を見張るなか駆け寄ってきた奏は、ワンコみたいで。
「瑞希さんっおはようございます!」
「……よーしよしよし。」
「なっ、なんで撫でるんですか?!」
眩しい笑顔で挨拶され、思わずサラサラの髪を撫でてるとへにゃ…ってはにかむから、もう…
「…奏、防犯ブザー持っとるか?」
「えっ?小学生じゃないんですから…」
「持った方がええ思うで?可愛いんやから」
「…ぇ、と…?!」
「知らんおっさんに口抑えられて車連れ込まれたらどうするん?ヤな事されても助け呼ばれへんで?嫌やろ?」
「ち、近っ…!!」
「もうな、オトン心配やねん…」
「奏くん固まってるからやめなさいww」
ぷるぷるとチワワみたいに震える姿が可愛くてつい苛めてると、秀丸に首根っこを掴まれた。
…秀丸に止められるとかw
「瑞希って奏くんにはかなり甘くね?」
「んーだって可愛いねんもん」
「っ…!!」
「ほらもー真っ赤やん?かわええわー」
「…溺愛萌え。」
「真顔でつぶやきなやw」
まぁ流石に収拾つかんなるから、抱き込んでた奏を離して兎にも角にも本題へ。
ポッキーを取り出し「咥えて、」とソレを奏に咥えさせ「あ、ポッキーゲームな?」と遅れて言ってからぽりぽりと齧ってくと、
みるみるパニックになるのが見て取れる。
「っみ、みみ、みじゅきしゃっ…」
焦って俺の名前を呼びながらも律儀にポッキーは離さんとからかわええなぁと思いつつ構わず食べ進めてると…半分を越えた頃、
キャパオーバーやろか……奏が倒れた。
クラッとなって倒れる寸前に抱きとめたけど、顔が真っ赤で目を回してて。
「……いじめすぎたやろか?」
「まさか倒れるとは…」
「…しゃーない、保健室連れてくわ」
ひょい、とぐったりした身体を持ち上げる。
軽いなー…ちゃんと食べてんか?
「あ、俺のせいやし秀丸は教室戻っとって?」
廊下歩かなやから、奏の顔が見えんよう内側に抱き込んでから保健室へ向かった。
「っ、瑞希……その抱き方は……ぐはっ!!」
クラスではもう1人、大量の鼻血を出した
保健室行きが必要な奴がでたらしい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
73 / 80