アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ヒナ君
-
「大丈夫だよ」
先に口を開いたのは東雲だった。
「だってちゃんとお前は言ったんだろ?好きだって。なら嫌われねぇよ。大丈夫だ。」
それにぱぁっと笑顔になる。
「うん!」
丁度そこにトワが息を切らしながら走ってきた。
「久遠、どけっ‼︎」
と俺を押す。思わずよろけてそのまま東雲にダイブする形になる。
「へっ?」
東雲は普通に俺を抱きとめた。
「あ、悪い」
慌てて離れるとまたあの微笑みを浮かべて居た。
その微笑みが俺は息を飲むくらい綺麗で美しくて思わず見惚れる。
その間に
「ヒナっ‼︎何処行ってたんだよ‼︎」
ぎゅうっと音が出そうなくらいに強くヒナを抱きしめるトワが居た。
そこでやっとハッとする。
そうだ、俺東雲に謝りに来たんだ。
「あっ…東雲っ‼︎」
呼ぶが、反応がない。
振り返ると東雲は既に居なかった。
「トワすきぃいいいい」
というヒナの愛らしい声と
うちの怖い弟の
「俺も好きだよ」
しかせず、存在もしなかった。
…東雲に、嫌われたくないなぁ。
嫌ってる筈なのにそんな事を思った。
東雲のあの笑みが頭にまた戻ってくる。
小さく溜息をつくと
「十和、ヒナ、帰ろうか」
そう十和の手を繋ぐ。十和はヒナと手を繋ぎ
つかれる今日という一日が終わった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 9