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「坊ちゃん達楽しかったみたいで良かったですね」
祭りに花火に、はしゃぎ過ぎた坊ちゃん達は屋敷に帰ってベッドに入った瞬間、すぐに仲良く眠りについた。
おかげで思ったより早く帰る事が出来て、浴衣のままで離れまでの道のりをこうして、長谷川と一緒に歩く。
「えぇ、本当に。そういう私達も少し楽しみ過ぎてしまいましたが」
「はははは…ですね」
長谷川の言葉に、あの時の失態を思い出してしまい、二人一緒に笑い合った。
「また来年も皆で一緒に行きましょう」
「はい」
繋いだ手、片方には赤黒金魚。
カランコロンと俺と長谷川の下駄の音が夜道に響いて、まるでまだ夏祭りが続いてるみたいだった。
「ふぅ、流石に暑いな。窓開けて来ますね」
リビングの窓を開けると、網戸越しに涼しい夜風が部屋の中に入り込んでくる。
「気持ちいい…」
「羽山さん、どうぞ」
夜風に吹かれていると、長谷川が背後からグラスを差し出した。
「ありがとうございます」
グラスを受け取ると、カランと氷が涼し気に音を立て、口を付ければ、シュワシュワとした炭酸が乾いた喉を潤した。
「花火も綺麗でしたが、今夜は星も綺麗ですね」
長谷川は網戸を開けてベランダへと出ながらそう言った。
俺もつられてベランダへと出ると長谷川の隣に並んで夜空を仰いだ。
「本当ですね。あ、夏の大三角」
「あっちは蠍座ですね」
「本当だ。なんか、プラネタリウムみたいですね」
こんなにゆっくり夜空を見るのは久しぶりだ。子供の頃はよくプラネタリウムに行ったりしたな…
「あ…今、流れ星落ちましたね」
「あーあー残念。見逃しました…」
そう肩を落とした瞬間、再び一筋の光が夜空に流れた。
「あ…」
思わず、願い事を三回、胸の中で呟く。
「羽山さんは、何をお願いしたんですか?」
「内緒です。だって言ったら叶わないじゃないですか」
俺は、残念でしたと言わんばっかりに、フフンと笑いながら、再び空を見上げた。
さっき、金魚すくいの時に弱点を教えてくれなかった仕返しだ。
「それは残念です。あ、羽山さん、そのままじっとして…」
「え?」
突然長谷川に動きを止められ、固まっていると…
-バチン!-
「-痛っ⁉︎」
首筋に痛みが走り、思わず飛び上がって声を上げた。
「蚊が止まってました」
長谷川の手のひらを見ると、一匹の蚊が俺の赤い血と一緒に、押し花の様に潰れていた。
「あ、ありがとうございます」
「……」
「長谷川さん?どうかしました?」
蚊に刺されたと思うと、途端に痒くなるもので、ポリポリと首筋を掻きながら、手のひらの蚊を無言で睨みつける長谷川を不思議に思い、そう問いかけた。
「…許せませんね」
長谷川はそう言うと、手のひらの蚊を外に向かって放り投げた。
「へっ?」
長谷川の思いもよらない言葉に、間抜けな声を上げると、首筋を掻く俺の手は長谷川に掴まれ制止されて…
「私より先に、貴方の首筋に赤い跡を付けるなんて…」
長谷川は俺の耳元でそう言うと、首筋に唇を寄せた。
「長谷川さん…何してっ」
丁度蚊に刺された所を長谷川の唇にチュッと吸われ、そのまま舌でザラザラと掻くようになぞられて…
「んっ…っ!」
痒い所をゆっくりと舌で刺激されて、掻かれているのか、愛撫をされているのか、言いようの無い感覚に襲われる。
うわ…やばい
その内に、下半身に鈍い疼きが生まれてしまい、こんな所でそんな気分になってしまった事が恥ずかしくて、長谷川から離れ様とすると、長谷川の手が後ろから俺の顎を掴んで、唇を奪われた。
「んっ…」
柔らかい唇が、俺の唇を包み込んで、すぐにゆっくりと離れて行った。
「私の願い事、叶えてくれませんか?」
「…願い事?」
「ええ…今日の為に取っておいた‘1回,使わせて下さい」
1回って…あ…
ルール3…1週間で3回まで。
長谷川の言葉の意味を理解した瞬間、思わず顔が熱くなる。
「長谷川さん…っ」
真っ直ぐに俺を見つめて、再び深く口付けられる。流されるまま角度を変えて、何度も唇を重ねた。
「んっ…はぁ」
長谷川の手のひらが浴衣越しにゆっくりと這い上がって来る。
ゾクゾクとした快感に襲われ、力なく長谷川の身体に身を預けた。
「っ…もぅ…部屋に…っ」
浴衣の合わせから入り込もうとしていた長谷川の手を、ギュッと握って首を振ると
「えぇ…」
長谷川は俺の肩を抱いて、優しく微笑んだ。
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