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......あの時と一緒だ。
初めて恭司に触れられ時と一緒だ。欲を吐き出したのに、何か足りない。今まで女性としか付き合った事のない自分は、受け身になど回った事は無い。だから、この身体がこれから受けるであろう快楽など知る由も無い。なのに、まるでこれからの事を期待するかの様な自分の身体が少し怖かった。何時からこんなに貪欲になったんだろう。
「......はぁ、はぁ、」
「...煽情的な姿だね。」
見つめる先の恭司も、欲塗れた顔をしている。
確かめたい、自分だけが欲しているんじゃ無いと。
「...はぁ。恭司さん、俺も、...触りたい。」
「 ── !? 」
快感の余韻に浸りながら凪が言った言葉に恭司は驚いた。普段の凪は如何にも性に無関心で、小さな事でも赤面してしまうほどだ。そんな凪が、いざ身体を重ねると淫猥で貪欲になる。頭で考えなくなると男の性のように快楽に従順でこれは恭司にとっては嬉しい誤算だった。
「......一人だけ気持ちぃの、...ヤダ。一緒がいい。恭司さんに触れたい。」
何て甘美な口説き文句だ。凪は独り善がりなセックスではなく、共に上り詰める事を求めてる。
「凪、ほら。今でも充分気持ちいいよ。君の姿を見ているだけで達してしまいそうだよ。」
恭司は凪の手を取り、自分の猛々しい性器に導くと苦笑しながら諭す。
「......あ、...凄い..」
触れた途端、うっとりした顔で呟く凪に危機感を覚える。このまま凪のペースに巻き込まれたら間違いなく持っていかれる。今まで一度足りともそんな事になったことはないが、予感では無く、確信にも似た焦燥感がある。
......不味いな、眠れる獅子を起こした気分だ、
「...凪、私も一緒にと思うなら、ここで受け入れてくれないか。」
凪の後孔を指でトントンと突く。溶けた顔の凪がその微かな刺激にも快感を拾い、思わず恭司の性器をキュッと握る。
「.........っ、」
急な刺激に、恭司の方が歯を食い縛った。
「......そう、したい。恭司さんの挿れて欲しい。...でも、先に恭司さんの気持ちい顔見たい。」
言いながら恭司の下着に凪は手をかけたが、その手を恭司が慌てて掴む。
「お願い、今日だけ。されるばかりじゃやだ、......お願い。」
咎められたと思ったのか、泣きそうな顔で言う凪は凄く扇情的だった。凪にしてほしくない訳じゃない。寧ろ嬉しいと思う。ただ今日は私が凪を快感に酔わせたかった。
心を通わせるセックスでは、己を忘れるほど凪を渇望している自分は端から分が悪い。現にその妖艶なまでの恥態を見ただけで爆ぜそうなほど昂っている。凪の前で醜態を晒すのではという不安からそれを容認出来ないでいた。
だが見つめる凪の顔は泣きそうに潤む目の奥に、猛禽の様な鋭さが見える。
今、私が自分を曝け出す事を拒めばきっと、凪の一部は手に出来ても、全ては手に出来ない、そんな気がした。ならば己を差し出し、凪の全てを手にしようと思った。
...ミイラ取りがミイラだな。
恭司は苦笑しながら、凪に言った。
「......分かった。凪、君の好きにしていいよ。気持ちよくしてくれるかい?」
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