アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8.俺の傍にいろ!
-
ー
「はーいかんぱ〜〜い!!お疲れ様で〜す!」
「かんぱ〜い!」
「柳瀬さん(←『鬼畜上司の愛し方』でお馴染みの柳瀬)、いつもご馳走様です〜」
「いいよそんなの。ほら皆たくさん飲んで」
「部長神です〜飲みの日だけは天使に見えます」
「何だそれは、日頃の俺が鬼とでも?」
「まぁそう言ったところですか」
「柿谷の今月の給料は無しだな」
「えっっ…!酷いですよ柳瀬さん!!」
「あははははは」
………
「……」
「ほらどうした佐山。さっさと肉食わないか」
「……」
「、あ、ほら枷、カボチャとかどうだ?これなんて良い具合に焼けて…」
「俺カボチャ食べられないんで」
「……ぇ、…あぁ、そう…なんだ。…あ、…なんかごめん…」
「ー何やってんだ日野君全く君は」
「す、すみません山野さん」
「焼肉と言えば肉だろう、ほら枷君、このカルビを勿体無いが君にあげよう」
「ーいりません。食べたくなったら自分で食べたい時に焼け具合見て勝手に取って食べるんで」
「………」
「…や、山野さん」
「よし、じゃあ佐山、お前にやる。ほら口を開けろ、俺が口に入れてやる食べさせてやる」
「、…のっ、ぶっ…!おい…!何だよ急にっ!やめれ!痛い…っ!口をこじ開けようとすんな馬鹿!!」
「ほら開けろ、俺が食わせてやるっつってんだから大人しく開けろっつーの」
「はぁ…っ!?、ざけんなっ!肉くらい自分で食べれるっつーの!…おい何だよ、近づいてくんなよ重い…っ!この、てめぇ山野…!!」
「どうした、お前肉は好きなはずだろ。ほーれほーれお前の大好きな肉が目の前にあるんだぞ〜」
「……っこのやろ……山野てめ、さては俺をおちょくってやがるな…」
「何を言うんだ俺らの仲だろ?おちょくるなんてあるか、俺は純粋にお前にこのカルビを食わせてやりたいだけなんだ」
「、いい…っ、今は気分じゃない、」
「ーあぁそうかだったら無理矢理口に突っ込んでやる」
「ー!、…てめ、このっ!痛い…!顎を掴むな痛い…!どんだけ肉食わせたいんだよおめぇは…!!、ーぐふっ、…んんっ!?、…や、まの…、やめ、ぅ…ぐ…、ふぐ…っ」
「…美味しいか?」
「……」
「美味しいんだな、分かり易いなお前は分かった分かったお前のためにもう一枚肉焼いてや…」
「ーー喧嘩売ってるんですか山野さん売ってないなら早く向こうの席でも何処か行ってくださいよてゆうかそれ分、かっ、て、て、やってますよね?俺を怒らせたくなければ離れてください日野と一緒に直ちにここから去ってください席の移動をお願いします」
「………」
「や、…山野さん…」
ー
「……」
「…おい、枷」
「何ですか」
「…何ですかじゃない、何だよさっきのは。山野は一応上司だぞ…?さっきの発言は後輩のお前が使う言葉じゃない、分かるだろそれくらい」
「………この鈍感が」
ブチッ
「ーあぁ!?何だと今何て言ったおめぇ…!」
「聞こえませんでした?じゃあもう一度言ってあげます鈍感って言ったんですよ耳悪いんですね!」
「はぁ…!?お前俺を舐めるのも大概にしろよ…!!」
「舐めさせるようなことあなたがするからでしょ」
「いつ俺が舐めさせるようなことしたよ!!」
「さっきでしょ、ついさっきでしょ、たった今でしょ何で分からないんですか不思議ですよ!」
「はあ!?意味わかんねぇな、俺はついさっきお前に舐められるようなことをした覚えはないね」
「だから鈍感だっつってんだ…」
「あぁ…!!?気のせいか!?今超性格悪りぃ不良の声が聞こえたんだが!?」
「気のせいじゃないですか、幻聴でも聞きましたか働きすぎて耳おかしくなりました?」
「なんっっっで働きすぎて耳がおかしくなんだよ…!!」
「さあ」
「面倒くさがってんじゃねぇよ途中放棄してんじゃねぇ…!」
「……キャンキャンキャンキャンうるさいですね。席をまた立ち上がらないで下さいよ、ここは居酒屋場所をわきまえて下さい」
「てっっめぇが俺に一々小言言うからだろ‥っ!!」
「だからって一々それに反発するんですか、あぁすごいすごい先輩のその瞬発力には思わず拍手でもしてあげたくなりますよ」
「、しろよ…!じゃあ拍手しろよ!」
「あれ、して欲しいんですか。案外甘えたなんですね」
「〜〜〜てっめぇ………!!」
「何ですか、暴力ですか、パワハラの次はDV?あ〜あ、あり得ませんねこんな上司」
「じゃかぁしいわ……ッ!てめぇみたいな強姦男に言われたくねーんだ…ーふぐっ!!」
「………」
「…〜っ、んんんっ!ふぐぐぐ…っ」
「………先輩、ここを何処だと思ってるんですか?周りに同僚も部長もいるの分かりますよね…?それにまずここは公の場なんですから大声でそんなこと言わないで下さい」
「…はっ、何だそれ。なーんだ、結局お前がバレるの怖いだけじゃん、」
「…言ったらその口二度と開かせねぇようにするぞ」
ビクッ
「……、…な、……なん、だよ……こ、…怖いよ……おま、え…はは」
「……やすやす俺以外の男に顎なんか触られて……あなたは」
「…、は?、なんだよ……、っな、何」
「唇にさっき山野さんに無理矢理カルビ入れられたタレがついてます」
「ぅえ、マジか」
「取ってあげます」
「お、おぅ、サンキュ」
「………」
「…。…なんだよ、取らねぇのかよ」
「少しは警戒したらどうなんですか」
「……は?」
「今の体勢分かってます?あなたの顎掴んで、俺とあなたの距離は今30cmあるかも満たない。知ってます?これは恋人同士の距離と言っても良いんですよ」
「…は、…な、…何で俺がっ、お前と恋人同士になんか…っ!」
「でも……不快を感じないんじゃないですか」
「……え、」
「…本当に嫌なら、あなたはもうとっくに俺のこの腕離させて胸押し返してますよ」
「ーっ!、…んだと…!!」
「何ですか?」
「……、…ぃ、…今更、…お、俺のこと無視して…、最近ずっと…近寄りもしなかった、くせに、」
「……はい?」
「ーだから昼とか‥っっ!!前まで俺と食ってたくせに、お前見たら女子社員と楽しそうに食ってるし‥!!…休憩時間だって、前は嫌ってくらい俺のとこ来たのに、今はもう全然近づきもしなくなったし‥…っ!、」
「……は?それは、あなたが俺が近づくのが嫌だと思って」
「何でだよ……!!」
「何でって……あなたさっきから何なんです?言ってること、矛盾してませんか」
「してねぇ…!」
「俺、あなたを襲ったんですよ?」
「…っぅ、」
「なのに一緒にいて欲しい?部下として?今までと同じように?」
「……ぅ、うん」
「……恋人同士になれるなら良いですよ?」
「それはねぇ…っ!!」
「じゃああなたには近づかない」
「なんでだよ…っ!」
「分からないんですか?一緒に居ても俺はあなたが好きなのに、あなたは俺のこと部下としか見てくれないこの俺の辛さが」
「……、で、でも…だって、…恋人同士…なんて、俺は、…ホモじゃ、ない、し‥」
「……ん?何ですか……?どうもさっきから何かおかしいですね……。もしかして先輩……俺の恋人になろうかどうか今真剣に考えてるんですか…?」
「、ーか、……考えてないっ!!」
「……」
「…か、考えてないって!」
「俺まだ何も言ってませんよ?」
「……っ、」
「……」
「……」
「ーあ〜もうイラつく」
「わっ!、何だよ急に!」
「……先輩、何なんですかそんなことして俺を試してるんですか俺を困らせたいんですか?」
「…、べっ…別にそんなんじゃ、」
「……何ですかそのピンクに染める頬は、先輩俺のこと好きなんですか?」
「っー!ちっ、違うわ馬鹿この野郎……!」
「だったらその顔何なんですか、どう考えても俺のこと誘ってるとしか思えない」
「、な、はぁあ……っ!?」
「好きなんですか?」
「…、…な、何が」
「……俺のこと」
「…ま、まあまあ…?かな…、はは」
「…先輩もしかして、俺が近づかなくなって、……寂しかった?」
「…っ、な、なわけねぇだろ馬鹿っ、別に、1人で気楽だったっつーのっ」
「ふーん…?じゃあ俺がお昼誘いに行かなくても良いんですね?」
「…あ、当たり前だ馬鹿…っ、」
「……じゃあ、俺は女の子と楽しく一緒にご飯食べてて良いんですね?先輩に必要以上の声も何も掛けなくて良いんですね?」
「……」
「じゃ、俺は向こうで同僚と飲んできますので先輩はここで1人焼肉しててください」
「ーっあ、ま、…待てよ……っ!」
「………何ですか?」
「……ぃ、しょに……いて欲しい…」
「…はい?寂しさしのぎにそんなこと言われても俺はそんな言葉に騙されませんよ」
「……、…こ、ぃびとになれば……お前は、……どこにも、行かないのか、」
「ー」
「……」
「…えぇ、行きませんよ。あなたのそばに、ずっといます。片時も離れません。約束します」
「……、…本当か?」
「本当です」
「……ま、マジか?」
「マジです」
「……、わ、分かった、…じゃ、じゃあ俺……お前の恋人に、」
「じゃあ?」
「…え?」
「心外だな。じゃあなってやろうって、そういうわけですか。俺はそんな安い男じゃありませんよあなたと違ってモテますし」
「…っな!、」
「…中途半端な恋人宣言は、俺は要らないって言ってるんです。ただ1人でいるのがやなだけなら、他をあたって下さい山野さんとか」
「、違う……っ!、やだ……っ!お前じゃなきゃ……!」
「ー、……………え?」
「……、…わ、かんねぇけど……、お……お前が、…枷が……全然、いなくて、……俺……寂しかったんだよ……いっつもいたのに、横にいたのに、…いつの間にか、…女の子と楽しくしてるし……、俺のこと、…無視、してくるし…、」
「……」
「……ぁ…当たり前だったんだよ…っ!!お前が、枷が、俺のそばにいることが、俺にとっては、それがもう、当然のことだったんだよ…!!…だから、…ぅ、…淋しくて……ふ、…辛くて…っ、…お前が最低なことしたやつだって分かってても、頭では分かってても、いつの間にか、目でお前追いかけちまうんだよ…!!お前そんなこと、知りもしねぇんだろ…!?」
「平気そうな顔しやがって、俺のこと好きなくせに、違う奴と一緒にいて…、俺のこと散々な目に遭わせたくせに、振り向きもしないで…っ、1人にして、…笑って、俺が、どれだけ寂しかったか、…お前みたいなやつにはわかんねぇよ…!!」
「お前が、俺以外の奴と、…楽しそうに話してるだけで、…嫉妬して、馬鹿みたいにイライラして、…本当俺おかしいって…、自分でも、分かってたし、そんなの認めたくなんてなかった…!認めるわけにいかないって…俺…ずっと…思ってた…」
「……」
「…だけど、……でも、やっぱり俺は…、それでも嫌なんだよ…!!…ぅ、お前が、俺以外の奴といるだけで、嫌なんだよ…!ムカつくんだよ…!!お前のことばかり考えてたら日が落ちて、家帰って、ベッド入って、それでまた俺はお前のこと考えてんだ…っ、毎日毎日、考えたくないのに、どうでもいいって、言い聞かせてるのに、でもっ、それでも、…俺はお前のことが、ーー好きになってたんだよ…!!っ…、…仕方ねぇーじゃん!!…仕方ねぇじゃんかよ…っっ!ッ馬鹿だよ俺は、だっていつの間にか、…っ、お前なんか、…よりにもよってお前なんかッ…!」
「先輩…」
「好きになるなんて……」
「……」
「…襲ってきた奴、なのに、…後輩なの、にっ…なのに…ッッ、……好きに、なる…なんて、そんなこと、……そんなこと……信じ、られる、かよ………」
「…先輩、」
「お前なんか嫌いだ、嫌い、嫌いだよ…。俺のこと無理矢理、襲って、…脅して、勝手に家に来て、無視して、俺以外の奴と楽しそうにして、俺の近くにも来なくなって…何なんだよお前……」
「…」
「俺の言うことに一々口答えしやがって、俺はお前の先輩だっつーの。俺はお前なんか好きじゃないっつーの!別に、…っふ、…お前なんかいなくても、俺は全然別に、さみしくなんかないっつーの…ッッ!」
「いや。先輩、さっきから言ってること滅茶苦茶…」
ーっ
「〜うっせえ黙れ…!!」
「…なんですかそれ。ねぇ、ちょっと先輩、」
「俺が好きって言ってんだから、分かれよ!なんだよモテるって!まじムカつく……!」
「ーえ?、」
「…っどーせ俺は、お前みたく、誰からも好かれてねーよっ」
「…先輩」
「ざけんなバカ…っ!、馬鹿馬鹿馬鹿!〜ちっくしょ……ッッ!なんで俺お前なんか、…お前なんか嫌いなんだよばか!!」
「先輩、ねぇ」
「触んなよもう…!嫌いだ!!嫌いだ!こっち寄ってくんなよ…!」
「先輩、先輩、ねえ先輩?」
「〜…めろっ、…やめろっ、来るな、寄るなッ!」
「……俺のこと好きなんですか?」
「、〜〜…ッなことない…っ!なことない!」
「……顔赤くして。…涙まで流して。…あなたは可愛い方ですね」
「、ーーうるさい……ッ!!」
「興奮すると、よく小さい子とか泣き出すじゃないですか。あれと多分同じケースですよね。先輩ってそんなスーツなんか着て、仕事バリバリ出来るくせに、今みたいなそういうとこあるから、だから駄目なんですよ」
「〜、はあっ?何が言いたいんだよお前は…!なんだよ駄目って!」
「だから奥さんに逃げられると言ってます」
「っ、ーーまたそれを出すのかてめぇは!俺に喧嘩売ってるんだろうお前…!」
「いえそんな」
「〜勝手に出るもんは出るんだから仕方ねぇだろ…ッ!…ぅっ、お前のせいだ、馬鹿野郎…ッッ」
「……馬鹿野郎って」
「…、…な…んだよ」
「…」
「…な、んで……見てくんだよ、……や、めろよ、…見んな。……こっち、見んなよ……」
「あなたが可愛いからでしょう」
「、…………は!?」
「…こんなところで。あなたは本当に……。……またあの時のように泣いて、…でも今度は、俺のことを想って、俺のせいだと言って、泣いてるんですね…あなたは」
「、え…?」
ーちゅ
………ー
……
「………な…に……し」
「ーー誰も見てませんから、大丈夫ですよ」
「……え…?」
「…でも、ここじゃこれ以上のことできませんから、場所変えましょうか」
「…ぇ、」
「あなたが泣き虫で子どもっぽいところは、奥さんにどう映ったのかは知らないけど、でも俺は、あなたのそうゆうとこ、…大好きですよ。俺があなたを、守ってあげる。あなたのこと、何でも受け入れてあげます。…だから沢山泣いて、先輩…俺のこともっと、好きになって下さい」
「……な、…に、……言って」
「ーでも先輩?泣いて告白してくれるのは本当に嬉しいんですが、もう少し場所をわきまえて欲しかったな。せっかくの先輩の告白だったのに、それが居酒屋なんて、なんだかあまりに…」
「……、…っ……」
「…何耳赤くしてるんですか?…もしかして、ここが何処だか忘れてた?」
「…、ちが…、」
ーグイ…っ
……え………っ!?
「ーちょ……!!」
「すみません、柳瀬さん。俺と先輩もう上がります」
「おぉ、そうか。早いな、酒飲んだか?」
「一口程度なら」
「どうした?酒飲む気分じゃなかったか?」
「いえ、そんなことはないんですが、佐山さんが俺と2人でお酒を飲みたいみたいなんで」
「ーな……っっ!!」
「あはは、そうなのか佐山」
「…ぃ、ちが……っ」
「じゃ、俺たちはこれで失礼させていただきます」
「お〜、気ィつけてな〜」
「じゃな〜」
……
「ーってめ、……この野郎枷っ!堂々と皆の前で嘘言いやがってこの、」
ちゅ
「…ば!!なにすっ!!」
「ーー可愛い顔ばっかり見せて。もう我慢の限界なんですよ」
「…、な…はぁ!?」
「俺に告白したんです、あなたは。恋人になるって、あなたは俺が好きだと」
「…、ぃ、言った、けど」
「もう取り消しなんてしませんよ。あなたが言ったんだ、絶対になかったことになんてさせない」
「、な、何だよ…!取り消しになんて、するかよ…!」
「……えぇもちろん。言われなくても、もう俺はあなたを離す気はありませんよ。あなたが泣こうが嫌がろうが、死ぬまであなたを離さない」
「っ、…ば、…馬鹿じゃねぇの…。抱きつくなよ……店、出たばっかのとこで……見られる……」
「先輩」
「…、」
「あなたの言葉、信じますよ」
「…さ、さっさと信じろよ馬鹿、」
そう言って伏せた顔は、後輩の、枷の手によって上にあげられて、
俺は、
抱き締められるその力強さに、
触れるその唇に、
体をビクリ、と震わせた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 88