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戦いの天使..1
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***
日が高く登った頃には、
プロフィテーギ帝国、スピリート王国両国に緊張感が漂う。
プロフィテーギ帝国陣は第五代最高管理官の名の下、
ルーノを含む彼の兄弟が軍をそれぞれ所持し、指揮していた。
「ルーノ作戦指令官!」
静かだったルーノの部隊の作戦本部は、
連絡班の一人が到着した事によってその静寂を破られた。
「手短に。」
ルーノは重々しく部屋の中央に置かれている椅子に掛けたまま、
凛とした声を入り口に立つ連絡班の兵士をチラリと見る。
「はい、
スピリート王国が国境の南寄りに兵力を集中させたようです。」
「数は。」
「衛星から確認出来た範囲でも10万は下らないと…。」
敵国・スピリート王国の総人口は2億に満たない。
衛星で確認出来なかった部隊を合わせると、
いくら全てが突撃する訳では無いとは言え、総力戦と言える数。
かなりの数を打ち落としているとは言え、
プロフィテーギ帝国領も無傷と言う訳にはいかなく、
国境付近の街は既に壊滅的ダメージを受けていた。
作戦本部の構成員は互いに顔を見合わせる。
南は防御に徹して、
スピリート北を狙えばいいのか?
いや、北は兵力を消耗させるだけだ。
既に長距離砲を使用しているから二度目は無いぞ、向こうも迎撃砲を準備している。
じゃあどうすればいいんだ!
ヒソヒソ声は一ヵ所で起こるとたちまち広がり、
一部では一時停戦を視野に入れるべきでは無いかとの声も上がる。
そんな場の空気を全てなぎ倒すように、
はぁ。
ルーノはダルそうに息を吐いた。
「全く…
第一子息さまも第二子息さまも、
スピリートに勝ち星を持たせてあげるのがとてもお上手なようで。」
そう呟いて。
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