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更なる勘違い
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【倉橋 裕貴】
まるで、全てを知っているかのような口振りだった。
泣きながら、違う。思ってない、と何度も否定した。自分の気持ちを。
しかしモモくんは否定しなかった。それよか、嘘つくな、強がるなと言ってくれた。
抱きしめる腕の力が強く、僕の心までそうされているようで。
佐木を想う、特別な感情。それ故の期待や不安も、きっとその腕は、全てわかった上で、抱きしめてくれているのだろう。
モモくんになら、僕の気持ちを打ち明けてもいいとおもった。
「も、、いいよ。離していいよ」
あ、ごめん、と言ってモモくんは腕の力を弱めた。
「ね、モモくん…どうしてわかったの…僕の気持ち…」
涙を拭いながらそう尋ねる。
「辛そうだったから。……すっごく」
「モモくんも、同じような経験あるの」
「うん。あるよ。思い悩んでた時期が俺にもあった」
ーーーモモくんもゲイだったんだ!
そう言おうとした時、携帯がまた振動を始めた。
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