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当たり前
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真白side
しばらくえっちしないと啖呵を切ってもうすぐ2週間くらい。最近は話こそしているものの、始めの3日間は口も聞かなかった。
すごく痛かったし、きつかったのも本当だけど、あんなにたくさんイくくらい気持ちよかったのも本当……言えねぇけど
「ねぇねぇ、真白と獅音さ、喧嘩しとると?なんかおかしい…」
昼休み、獅音と涙と俺と獅音に引っ付いてきた女の子と屋上で飯を食べた。それで今はその女の子に獅音が引っ張ってどっかに連れて行かれたので、涙と俺の二人。
………涙ってほんと勘よすぎ…
「んー…?喧嘩とかいつものことだろ?なんも変わんねぇって」
「………じゃあ今してる不安そうな顔の理由は?……獅音やろ?」
「……はは…そんな顔、してねぇだろ…」
………嘘。
俺の心臓の音がどくんっどくんって、涙にも聞こえてそうなくらい動揺してる。……女の子とどっか行った獅音に。
「……もう俺にはバレバレなんだけどねぇ…」
「…………なにが…?…」
空を仰ぎながら少し困り顔で涙がつぶやく。
……何となく涙が言いたいことは分かってる…けど「なにが」と答えたのは、ほんの少しの悪あがき…。
「……ふっ……自分もうすうす気づいとるくせに…………獅音と真白の関係………二人、付き合っとるやろ?」
……やっぱり…。
もう今さら嘘をつく気にもなれなかったので小さな声で「……うん…」と返事をした。
「……ちょっと前、キスマーク見つけた時から何となくやけど、そーかなぁ…って思っとったっちゃんね………」
「………」
……うん。なんとなくバレてた気はした…
涙は俺の方を見ないで空を見上げたまま話し続ける。
「……はじめは別にいいかってくらいにしか思っとらんかったけど、2週間前くらいから二人ともなんかおかしいっちゃもん…………3日くらいだったかな、口も聞いとらんやったやろ?……まぁ最近はまた話しとるの見かけるけど、口喧嘩しても獅音も噛みつきよらんし、真白も叩いたり蹴ったりしよらん……」
「…………」
「…別に二人の事にいろいろ首突っ込むわけやないけどさ………俺達、友達やないと?……辛い事とか不安な事とか、嬉しかった事とか、言い合ってもいいっちゃないかなぁって思う。…少なくとも俺は、言ってほしい。………獅音と真白が付き合っててもそれは変わらんよ。……真白も大切やし。獅音も大切。……やっけん、二人のうち一人でも辛そうな顔しとったら友達としてほんの少しでも…力になりたいって頼って欲しいって思うとは俺の我儘かなぁ…?…」
「……………」
淡々とゆっくり…折れてしまいそうな声で、話してくれた。
…………あー…だからバレるのが嫌だったんだ……こうやって自分を頼ってくれと言う涙の優しさに溺れたくなってしまうから…
「………なんでさ……そんなに優しく、してくれんの…」
俺が言った言葉に涙は、先ほどの悲しそうな顔とは違い、いつものように明るい笑顔で笑いながら言った。
「……ふははっ…真白さぁ、仲いい友達結構いるくせに、なんかこういうの疎いよなぁ」
「…??」
「言ったじゃん、『大切』だって……大切なものを優しく扱うのなんて当たり前やろ。二人が大切だから力になりたいって思うし、頼って欲しいって思っとるんよ。………真白はもう少し甘えたくらいが丁度いいっちゃないかって俺は思うけどねぇ…」
当たり前のことのようにこんな事を言ってのける涙をかっこいいと思った。
当たり前のことを当たり前にする事は誰もが目標としてるけど、実際はとても難しいと思う。それなのに涙は、当たり前だと言ったこと以上をくれる。
…………こいつ以上の友達なんてできない気がする。
「………ありがとう」
「………いーえ」
涙の気持ちが嬉しくてお礼を言うと、涙はニコッと笑ってくれた。
それから特に何を話すわけでもなく、昼休みが終わって午後の授業のチャイムがなって俺達は教室へ戻った。
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