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ピンチをチャンスに!
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「…。」
勝谷はしばらく考えるように幸希の手を見ていた。
幸希は少し首をかしげ、「ほらっ。」といって差し出した手を動かした。すると渋々といった感じて勝谷は手を重ねてきた。
(全く世話がやける…)
「よっ…と…」
幸希より背の高い勝谷を引き上げるのにはそれなりの力が必要だった。
幸希は足にも力を入れて、引き上げた。
「んっ…おい…(自力で立てよ!)わっ!」
急に腕の力が軽くなり、その反動で後ろへとよろけてしまった。
「うわっ!」
背中を何かに打ち付けられ、衝撃が走った。
「痛ってぇ!」
静かな教室に大きな音が響いた。
幸希は背中の痛みを感じながら、目を開いた。
「…。」
目の前には勝谷の顔があった。
「ど、どうした?」
(何?この体勢…)
どうやら背中を打ち付けているのは教室の机のようだった。
勝谷は幸希に覆いかぶさるように幸希を挟んで両手を机についていた。
(机ドン…?流行ってんの…って俺にしてもしょうがないし…てかこの体勢、腰が痛い…)
床すれすれの所に足が有る為、幸希はバタバタとするしかなかった。
「ごめん。俺がよろけたから…」
とりあえず幸希は謝ってみてから、自分から退くように勝谷の腕に軽く触れた。
「…。」
それでも勝谷は退く様子はなかった。
長い睫毛がゆっくりと上下し、薄い唇をキュッと噛み締めていた。
「あの〜えっと…退いてくれますか?」
幸希は今度は勝谷の胸を軽く押したが、びくともしないようだった。
「あの…?」
手に力を入れると勝谷の胸の厚みがわかった。
(あっ…やっぱりいい身体だ。着痩せするタイプなんだな…)
幸希は勝谷の上半身に手を滑らせそいうになった。
(いかん!)
ハッとして顔を赤らめ、手を引っ込めた。
(相手は学生だし、ノーマルだぞ!)
必死で理性を奮い立たせようとするが、勝谷の色っぽい目に負けてしまいそうになる。
(はっ!そうだ!)
幸希はぎゅっと目を閉じて、祈るように胸の前で手を組んだ。
「頼みますから、早く、いち早く退いてください。僕、お手洗い行きたいんです!本当、ずっと行きたかったんです。もう限界です!」
我ながらいい案ではないかと思いながら、幸希はこっそりほくそ笑んだ。
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