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ウサギ×ウサギ
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「人参、食べないからこんなことになったんだよ。」
耳が人参になったウサギが人参を齧りながら、話しかけてくる。
「唐揚げばっかり食べてるから油ギトギトの人間になってしまったんだよ。」
もう1匹、同じようなウサギが出てきたが、今度のは唐揚げを持っていた。
「人参はカロチンが入ってるんだよ。」
「唐揚げは沢山香辛料が入ったるんだよ。」
あっ…そう…だね。。
2匹は一歩一歩確実に近づいてくる。
「でも人参は嫌いなんだよね?」
「唐揚げは身体に悪いけど好きなんだよね?」
2匹が詰め寄ってくる。
足が動かない、答えも浮かばない。
”やめろ!来るな!!”
「雨宮さん?雨宮さん?」
「わぁっ!」
目の前に現れたのは見たことない場所。
汗が張り付く。
「えっ?えっ?何?どこここ?」
「雨宮さん!」
腕を掴まれ、見下ろしてきた人物に見覚えがあった。
「なんで?えっ?えっ?ウサギは…?」
「ウサギ?落ち着いて下さい。ここは病院です。」
「び、病院…?」
ようやく自分が横になっているのに気がついた。
「病院…?」
それでも頭がはっきりせず、すがるように見上げた。
「雨宮さん?大丈夫?頭打ったから…俺のことわかります?」
「…勝谷くん…。」
「よかった!」
見上げた笑顔は綺麗で、今の自分にはそれだけがすべてのようだった。
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