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「ただいま。」
夕方、一ノ瀬が帰ってきてからあの伝言を伝えた。
「一ノ瀬、昼に女の人から電話があってさ、電話してこい。って言ってた。名前聞くの忘れちゃったんだけど。ごめん。今度電話あったら聞いとくよ。」
気にしてないフリしなきゃ。ただでさえ一ノ瀬は疲れてるんだから。
「大丈夫だよ。ありがとう。」
一ノ瀬は今まで見たこともない不安を帯びた笑顔を見せて寝室に入っていった。
その後すぐ寝室から一ノ瀬の声が聞こえてきた。
話してる内容は聞こえないけど、たぶん女の人と話してるんだ。
名前を聞かなくても誰かわかるなんて、なんか...
胸にチクっと痛みが走った。
痛いなぁ...
どんどん俺の心が黒に染まってくみたいで、変な感じがした。
20分くらいして一ノ瀬が寝室から出てきた。今はあまり話したくはないけれど変に意識しすぎても一ノ瀬に気をつかわせるだけだ。
だから、いつもどうりに振舞わないといけない。まぁそれが一番大変なんだけど。
きっと、仕事の関係か何かだと思うけど、もし、もっと違う何かなら確率的に先に手放されるのはこっちだ。
女の人と俺じゃ比べるまでもなく....
やめよ。なんか落ち込んできた。
信じてないわけじゃない
でも
100%信じきれない自分もいて
信じたいのに、素直に一ノ瀬の言葉を受け取れない。
そんな気がした。
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