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過去2
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その後のレッスンは侑菜だけが参加するようになり、侑紀はたまに参加するというかたちになっていた。
侑菜は裏と表の顔を持つようになっていった。
侑紀や、自分の味方だと認識した相手には優しく振るまい敵だと見なした相手には容赦なく毒をはく。
レッスンは侑菜の絶対王政のようになっていた。
その頃から侑紀はレッスンに全く参加しなくなり表情は暗くなっていった。
しかし、歌声だけは衰えることはなくその口から紡がれる音は透き通っていた。
侑花は侑菜のみを、可愛がり侑紀をしいたげるようになった。
「侑紀!!なんでレッスンに行かないの!?」
「あなたは本当にダメな子ね!」
「侑菜を見習いなさいよ!」
「私のために歌って!演じて!」
「私の夢を叶えてよ!!」
―歌え、うたえ、ウタエ…
演じろ、えんじろ、エンジロ…
まるで呪詛のように響く母親の暴言に幼い侑紀の心は深い闇のなかに沈んでいった。
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