アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
あぁ、これはー2
-
そっとその側にしゃがみ込む。
すーすーと寝息が聞こえる。
先ほど見たような髪型は崩されていて、いつも通りのふわふわした猫っ毛に戻っていた。
それにしても、まつ毛が長い…。
端正な顔を覗き込む。
白くて、綺麗。
少し日焼けしたのか、頬がほんのりピンク色に染まっている。
「ふふ」
思わずその顔が可愛らしく感じて笑ってしまった。
「ぅ……ん…」
「…っ!」
笑った瞬間雪城の眉間に皺が寄る。
起こしてしまう、と思った時にはもう遅くて。
「……何してんの」
逃げる隙もなく、ぐっと学ランの襟を掴まれて。
「あ、…す、すまなーーー!いった…」
そしてどんと後ろに押された俺は尻餅をついた。
その衝撃に痛みを感じていると顔に影がかかって、雪城が俺を見下ろしていた。
「何、してんの?」
冷たい瞳で、もう一度俺に言う。
ひどく、黒くて、深くて、寂しい色。
「俺、お前に前酷いことしたよね。なんでこうやってまた近づいてくるの?」
「それは……」
雪城に言われて今思い出した。
そうだ、俺はこいつに、酷いことをされている。
思い出すと、ぞくりと震える。
「なんで?お前、どこまで酷くされれば、俺に近づかなくなる?」
でも、雪城を怖く感じたのはあの時だけで。
むしろ、それから雪城が気になって仕方がなかった。
リュウに何度相談したか。
何度みんなに心配されたか。
それでも俺の目は、自然と目の前のこいつを追っていて。
例え嫌われているかも、と思っても、
こいつの一番になりたがって、訳のわから無い独占欲が何度俺の心を支配したことか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
138 / 334