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「は……………、え??」
状況を掴むのに一瞬戸惑ったが、すぐ理解してみるみる顔が熱くなるのを感じた。
夜人さんの吐息がすぐ耳の横で聞こえるほどにピッタリと抱きしめられている。このままじゃまずいと思いもがいてみるものの、全く抜けられない。
どうしよう、こんな所誰かに見られたら…。
ジタバタジタバタしていると、頭上の方で声がした。
『あー!旭くんだっけ?大丈夫っ??』
声の主は、さっき夜人さんと一緒にいた女の人だった。
その人は駆け寄って夜人さんを(少し手荒に)引きはがしてくれた。
『貴方、大丈夫? 』
「は、はいっ…。あの、ありがとうございました。」
とりあえず2人で夜人さんを部屋へ運んでいき、ソファに寝かせた。
『いやー、ごめんねー。ちょっと飲ませ過ぎちゃったみたいで。あ、自己紹介遅れちゃったわね。私、須藤深雪(すどう みゆき)っていうの。』
「は、はぁ……。」
深雪さんの話によると、一緒に飲んでいるうちに夜人さんが酔いつぶれた上に突然帰ると言い出して聞かなかったらしい。
そのあと、どこの学校やどんな事をしてるかなど虱潰しに聞かれたが、さすがに喋る事が無くなったのか沈黙の時が流れた。
……訊いてしまおうか。。
でも、夜人さんとこの人どういう関係かなんて訊いたところで何になるんだろう……。
僕なんて所詮は、ただの『お隣さん』だというのに……。
でも、どうしても聞かずにはいれなくて、すごく失礼なやつだと思われるのは承知で、…思い切って訊いたみた。
「あ、あの……失礼だとは思うんですが、深雪さんは夜人さんの付き合ってらっしゃるんですか?」
恐る恐る訊いてみると、深雪さんは一瞬ぽかんとしたあと、大きな声で笑った。
『あははははっ、ないない!そんな訳っ。私と夜人は美大からの友達なの。あと私の父親、美術館の館長でね?私も今そこで働いてるんだけど、個展を開きたいって言うから今日はその打ち合わせをしてたのよ。』
ツボにハマってしまったのか、いい終わってからも涙目になりながら爆笑し続けた。
え?つ、つきあってないの……???
僕の、勘違い??
呆気にとられていると、今度は少し落ち着いた彼女が話かけてきた。
『ねえ、君。夜人の事好きでしょ?』
へ??な、なんでわかったの??
『ふふふっ、何で分かったのって顔ね。分かりやすくて可愛いなー君は。真っ赤になってるよ?』
この人、人の心読む力でも持ってるんだろうか??それとも、ほんとに僕が分かり易いだけ。??
『でも、気をつけてねー。この夜人、冗談抜きでほんっっっとに鈍いから。ちなみに、私が分かったのは、夜人の話聞いててそう思ったからなんだけど、周りが聞いてて気づく事でも、夜人は全然気付けないの。きっと心までド近眼なのね。』
「そ、そうなんですか……。」
『そのくせ思わせぶりでしょ?よく女の子泣かせてたわ…。あ、だからね?夜人には思いをはっきり真っ直ぐ伝えてあげて。』
真っ直ぐ…………か。
「………本当に、いいんでしょうか。。僕なんかが本当の思いを伝えても…。」
『もちろんよ。彼には貴方が必要だもの。』
そう言い終わってから、彼女は時計を見て慌てて支度し始めた。
『ごめんなさい、私そろそろ行かなきゃ。旭くんここの鍵任せるわ!じゃ!』
「あ、え?!待って僕も出…!!((バタンッ
任されても、困るんですけど…。。
「……んん…。…ぁさ、ひ、くん…?」
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