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「お前みたいな奴……初めてだ」
脈絡も無く独白のように呟く声。それと同時に手首を掴んでいた掌が、今度は鎖骨の辺りを這う。
「痛かったか?」
火傷の痕を確かめるように指を這わせて聞いてくるけど、どう答えればいいのか分からず唇をキュッと引き結んだ。
当たり前だ。痛かったに決まっているし、須賀自身から受ける仕打ちも痛く苦しくて堪らない。
失敗はしたけれど……逃げ出したい気持ちは変わらず心の中を占めているし、出来る事なら早く興味を無くして欲しいと願っていた。
「言いたく無い……か」
僅かに陰りを見せた声音に叶多がビクリと身体を揺らすと、
「別に怒ってる訳じゃない」
と見透かしたように告げられる。
「まあいい。寝ろ」
「っ!」
ギュッと身体を抱き締められて叶多は息を詰めるけど、いつものような身体の震えは不思議と襲って来なかった。
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