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「アイツと、随分仲良くなったみたいだな」
期末テストを明日に控え半日授業となっているから、外へと出てもまだ陽は高く、肌を日射しが照り付ける。
答えに困った叶多が俯き鞄を持つ手をジッと見ていると、溜め息を吐いた須賀が突然歩みを止めてこちらを向いた。
「何か喋れ」
「あ、あの……勉強教えて貰えって……」
「ああ、言ったな。で、大丈夫そうなのか?」
再び歩き出した須賀の後ろに付いて行きながら、
「多分、前回よりは……」
と返せば、鼻で笑う音がする。
「ならいい」
出会った時からずっと変わらない抑揚の無い低い声。何を思っているのか分からず、いつ嵐が訪れるのかと常に不安に包まれていた。
それに、部屋に戻れば何をするのか分かっているから気持ちも重い。
ーーーだけど……。
それにも徐々に慣れて来ている自分が一番情けなく……叶多はそんな自分の変化を内心酷く嫌悪していた。
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