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俺は猫を抱えたままベンチに腰掛けた。
早く帰ろうとしてたことなんてとっくに頭から抜けていた。
膝の上に置いて黒い背中と顎の下を撫でる。
目の細めて喉を鳴らす猫を見てると時間が経つのも忘れてしまう
「……どうやって入ったんだ?つか、なんでこんなに懐いてんだよ、お前」
返事がないことはわかっているのについ声をかけてしまう。
その声が誰にかけるより穏やかなのは自分でもわかっていることだ。
……動物は素直だからな
“ニャー”
「はっ……それが返事のつもりか?」
片目を開いて小さく鳴く黒猫に笑いかける。
少しだけ冷たい風が木々を揺らす音だけで他には何も無い
静かで穏やかな時間だけが流れていた。
「へぇ〜チビが他人に懐くなんて珍しいな」
前から突然聞こえた声
すぐに顔を上げるとドアの所に一人の生徒が立っていた。
明るい茶色の髪は夕陽を浴びて金色に輝いている。
見たことはないが、身なりからしてFクラスの生徒であることは間違いないだろう。
ただ……二年生ではないはすだ。
「誰だ…てめぇ……」
軽く睨みつけながら聞くと、男は笑いながら近寄ってきた。
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