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「…………」
ノックしたのはいいが、いくら待っても返事がない。
流石に自分から入るということは立場上出来ないから、返事があるか、開けてもらう他ない。
再度、先ほどより強めに扉を叩いた。
が、やはり返事はない。
「………チッ…もう入るぞ」
だんだんと苛立ちが溜まり、律儀に待ってることに嫌気がさした。
さっきの躊躇いも消え去り、苛立ち半分でドアを開け放った。
「失礼する………は?」
中を見て絶句した。
そこには東はもちろん、風紀委員は一人としていない。
……見事に無人だ。
「……呼んでいながらこれかよ」
ため息をつきながら奥の机に向かう。
委員長、東の席であろう机はわかってはいたが書類が山積みになっている。
一枚を手にとり内容を見ると、予想通り体育祭のことだ。
しかも、これは風紀の仕事ではない。
「はっ……本当にクズだな」
ここまできても自分たちの愚かさに気づけねぇのか?
仕事もしねぇくせによく役職名を胸はって言えるよな?
人のことバカにできるよな?
見下せるよな??
上に立つためだけの名前か?
支配するためだけの肩書きか?
……名ばかりの無能はただのクズだ
「全く……本当にかわいそうな奴らだな。救えねぇクズ共が」
その中に一時期でも入ってたことが情けねぇ。
仲間だなんて思ったことはねぇが……それなりに認めようとした時期は確かにあった。
情けねぇが……信じようとしたことは確かにあった。
「…………情けねぇよ、本当に」
知らないうちに力が入っていたのか、手の中の書類が軽く歪んでいた。
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