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担任。チャラチャラしてるというより、ダラダラしてる系の若者。
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俺と衛は、1-Aだった。
この学園のクラス分けは一体どのようになっているんだろうか。
何にしろ、知り合いが同じクラスと言うは、心強い事である。
周りは、どうやら顔見知りが多いのか、今日が入学式とは思えないほどである。
おはよー、久しぶり
昨日のテレビでさー
そんな会話は、少なくとも俺の知っている新入生入学式の朝の雰囲気ではない。
やはり、みんな中等部からの持ち上がりなんだろうな。
俺は、とりあえず出席番号順である自分の席に座った。
唐澤と夢野では、結構離れているため、衛とは席が遠い。
そんなことを、ボーッと考えていると、誰かに頭を叩かれそうになった。
咄嗟に避けたが、こんなに俺を躊躇なく、叩こうと思うのは、1人しかいない。そして、俺は叩くに値することを、今日の朝やってしまった。
俺は、相手の顔を見ないまま、机に額をつけた。
「いや、本当にごめん。」
そして、顔を上げると、無表情の衛が、立っていた。
怒ってる。怒ってる……
「あのさ、志真。朝弱いならさ、弱いって最初から言ってくれても良かったんだけど。」
「いや、忘れてたっていうか、なんていうか。明日は、入学式だし、起きれるかなって……。」
まあ、もうわかっていると思うが、俺は普通に朝が弱い。
中学時代は、めざまし時計なんてかけたことなかった。それは、起きれるからではなく、起きれないから、かけても意味がないのだ。
だけど、高校になったら、そうもいかない。
ちゃんと学校に行くためには、めざまし時計をかけなきゃいけない。
だから、めざまし時計と携帯の機能のめざまし時計の二重で使ったのだ。でも、結果は……見ての通りだ。
「はぁ。まあ、いいや。今度から、もっと早く起こしに行くから。」
「えっ。」
「えって何さ。今日みたいに5分で支度したいの?」
「いや。絶対にいや。」
「はい。じゃあ、明日はもう少し早めに起こしに行くから。」
「……ありがとう。」
衛は、俺のお母さんか。
恥ずかしいんだか、なんなんだか、とにかく出会って1日で、衛には、多大なるご迷惑をおかけしたわけで……
朝はテンションが高いのだが、段々とテンションは下がっていく。いや、朝が高すぎるだけで、普段のテンションに戻っていくって言うのが正しい。
ていうか、あのテンションを保つのは無理無理。もたないし。
そんなこんなで、俺が衛からお説教を受けている時、担任が入ってきた。
そして、担任が入ってきた瞬間に、ザワザワとしていた教室が静まり返り、次の瞬間、何人かの生徒が悲鳴なんだか、歓喜なんだか、よくわからない声を上げた。
これを他の言葉で表すとしたら、黄色い声ってやつだ。
とにかく、うるさい。
担任は、俺が今まで出会った担任の中で一番若い。いくつだ、この人。
チャラチャラはしてないけど、何だかダルそうだ。
身長が高くて、髪が黒くて、とりあえず、若い。
「ほいほい、みんな座れー。今日は、入学式だな。まあ、大体のやつは中等部からの持ち上がりだから、わかるだろ。でも、編入生もいるか。この学校の入学式は、他の学校と変わらないから、特に説明はしない。というわけで、そろそろ時間だから、みんな講堂に向かえー。HRは、以上。今日は、授業ないから、これで終わりな。」
ちょ、ちょっと待て、担任。名乗れ。そして、編入生にもっと気を遣え。それじゃ、本当に最低限のことしかわからないから!
テキトーな担任に、他の人は何も文句を言わない。
これでいいのか、いや、ダメだろう。
俺の精一杯の抗議も、頭の中で終わってしまう。
俺は、この先の学校生活が不安で仕方なくなってしまった。
これも全て、担任のせいだ。くそ。
「あ。えーっと、唐澤?おーい、唐澤っていう編入生ー!いたら前に来い。」
何だか生徒に囲まれてちやほやされてた担任が、いきなり俺の名前を呼んだもんだから、教室が静まり返った。
俺は、黙って席を立って、その担任の前に行った。
周りの生徒は、俺のことを怪訝な目で見る。
みんな、背が低くて可愛らしい顔立ちをしてらっしゃる。小動物に睨まれても全然全くもって怖くない。
「あ、お前が唐澤?ちょっと、職員室までついてきて。」
そう言って、担任は教室を出て行ったので、俺もそれについていく。
本当に、この人は教師なのだろうか。
私立の学校の先生ってこんな感じなのか。(*偏見です。そんなことありません。)
とにかく俺は、もう何度も言うが、この先の学校生活というものに、不安しかない。
この担任、俺に何の用だ。
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