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自己紹介からーの勧誘。
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「おれ!おれ!おれは、三池正孝(みいけ まさたか)。三年生で、生徒会役員の……えーっと、庶務!そう、庶務ってやつやってます。部活は、柔道部で部長もやってるよ。強いよ!よろしくね、シマたん。」
手を挙げながら、挨拶をする小さい人改め、三池先輩。
……というか、この人三年生なの!?
言動が、どー考えても思慮深くは見えない。
そして、シマたんとは、どーやら俺のことらしい。いや、やめて。なんか、呼ばれ方恥ずかしい。
柔道部って、この人自分のこと強いって言ってるけど、背低いし本当かな……いや、人は見かけによらないしな。
見かけで人を判断することなかれ。
人は、誰だって秘密を隠してるもんだ。
「「俺らは、双子ー。」」
いきなり、双子のよく顔が似ている二人が同時に喋った。
でも、なんかどっちかの方が、声が少しだけ低いかもしれない。右か左かまではわからないけど。
とりあえず、一卵性双生児ってやつだろう。よくよく見れば違うのだが、遠目やパッと見は、区別がつかないだろう。
俺が黙って見てると、こちらから見て右側の人が喋り出した。
「俺は、戸牧翼(とまき つばさ)。双子のお兄ちゃんです。そして、生徒会書記をやってる。部活とか特にやってないけど、面白いことは結構好き。チャームポイントは、口が悪いところです☆」
そういって、こちらにウィンクを飛ばしてきた。うん、気持ち悪い。
男にウィンク飛ばされても嬉しくない。
美女ならまだしも。
しかも、チャームポイントは口が悪いところって……ろくなことないな。
そしたら、今度は左側が喋り出す。
「俺は、椿(つばき)。双子の弟。生徒会、会計。翼と同様面白いこと大好き。言ってなかったけど、俺たち二年生ね。俺は、翼と違って部活に入ってる。剣道部。よろしく、平凡くん。」
平凡くんって馬鹿にしてるのか。それとも、見たまんまを言っているのか。あ、どっちしても馬鹿にしてるのか。
何にしろ、この双子。言うことがいちいち過激だ。こんなんで、友達いるんだろうか。
翼と椿って、よく音が似てる名前つけたよな。漢字は全く違うけど、ひらがなにするとそっくり。ザ・双子って感じ。
苗字で呼ぶとややこしくて、でも名前で呼ぶのはなんか嫌なので、兄先輩、弟先輩と呼ぶことにした。
なんか言われても総無視だ。
「私は、生徒会副会長の、東 雪那(ひがし ゆきな)と言います。二年生です。皆が、言ってますので、言いますと、部活は椿と同じ剣道部です。以後、お見知り置きを。」
長髪美形のお兄さん、そんな長髪あなたみたいな顔だから許されるわけでしてね、世間は長髪男子には風当たりが冷たいんですよ。本当、副会長さまは、お顔で得をしているようだ。
あ、お見知り置きというか、今後あまり関わりになりたくないのですが。
ちなみに、俺は長髪に偏見は持っていない。似合う人が似合う髪型にすればいいと思う。
東先輩は、フレームの無いメガネを掛けていた。
俺は、目が良いから、メガネとかする人の気持ちはわからない。
前に聞いたことあるけど、メガネとかしてる目が悪い人は、目が悪くないのにカラコンを付けてる人に反感を持つらしい。
そうなのだろうか。
あ、俺はさっきから生徒会の皆さまの、自己紹介は聞いているが一言も喋っていない。
何故か?
ちょっと待ってください。今までの話の流れでわかるでしょう。
俺は、初対面の人と喋るのが苦手だから。
それに、正直話についていけない。
何いきなり、人のこと引き止めて、俺の了解も得ずに、自己紹介なんておっ始めてるだろう、この人たちは。何がしたいんだよ。
最後、衛より少し高い長身の生徒会会長である、宮園先輩が、自己紹介をする。
「俺は、宮園。高等部の生徒会長をやってる。二年生だ。今日は、新入生代表挨拶ご苦労だった。」
俺は、この人の部下か……。
そして、この人は、なんて偉そうな人なんだ。あの、挨拶でのうさんくさい笑顔はどうした。
二年生だったのか、この人。
一通りあちら側の挨拶が終わったとばかりに、今度は5人揃って俺の方を見てくる。
これは、お前も自己紹介しろよ、って雰囲気だよな。
でもさ、天下の生徒会さまだったらさ、俺のことなんてもうほととんど知ってるのではないだろうか。
名前だって、俺が編入生だってことも知ってたっぽいし。今更、俺が自己紹介する必要なんて___
「おい、早く自己紹介しろよ。」
あるんですね、はい。
「えーっと……その、編入生の、唐澤志真です。……よろしくお願いします。」
俺が自己紹介をすると、5人は俺のことをジーっと見てきた。
あーもう、見るな見るな。
もう言うことなんてないよ。
「……出来れば、生徒会役員さまとは……関わりたくない、です。」
つい、本音がポロリしてしまった。
よくあるだろ、つい、ってやつ。俺、前よく仲間に、本音がポロリすることあるよな、って言われてたわ。しかも、切羽詰まるとよくポロリする。
いや、流石に今回のポロリはまずかったって思うよ。
でもさ、生徒会役員さまたちがさ、よってかかって新入生に、そんな風にしてたら、誰だって切羽詰まるよね、うん、詰まる。だから、今のは仕方がないってことで。
「うわーお、どーする宮ちゃん。おれたち、ちょーシマたんに印象悪めだよ。」
三池先輩が、笑いながら言う。
良かった。
どうやら、そこまで大変なことをしでかしたってわけではないようだ。
こっそり胸を撫で下ろしてる俺に、会長はとんでも無いことを言ってきた。
「おい、唐澤。俺たち生徒会は、お前を生徒会役員へ勧誘しようとしてここへ来たんだよ。関わりたくないって言われても困るんどけど。」
……いやいやいや。困るのこっちでしょ。
なんで、俺が生徒会に入らなきゃいけない。
もう無理。
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