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月曜日よりの悪魔
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月曜日というのは、何というか、日曜日に突き放されて、さらに嫌そうに押し付けられました、って感じにやってくると思う。
ごめんなさい、言ってて俺もよくわからなくなってきた。
つまり、月曜日、嫌い。
土曜日、俺は起きたら何故か見知らぬ部屋のベッドで寝ていて、恐る恐るリビングに行ったら、衛が狭そうにソファーで寝ていて、全てを思い出し、その場で土下座をして、衛が起きるのを待った。足がしびれた。
ちなみに、土曜日かと信じていたら、時計を見たら、日曜日になっていたので、俺は衛の部屋でそのまま、予定通り朝まで寝てしまったようだった。
起きた衛は、首を痛そうにして、笑って、いいよいいよ、とか言ってたけど、俺は土下座を続けた。
そのためかわからないけど、月曜日の朝……つまり、今、俺は絶賛足がつっている。
痛い、痛い。
そして、あと4分で衛が迎えに来る。
非常にまずい。
何とか、ベットから起きて、顔を洗いに洗面台へ行く。
衛の部屋で起きた時、俺の髪は衛が爆笑するくらいに、爆発していた。そりゃそうだ。髪の毛乾かさないまま、寝てしまったんだから。
ちゃんと乾かせば、寝癖なんて一切つかない。今日だって、相変わらずの真っ黒でまっすぐな髪だ。面白みがない。
ドアをノックする音がした。
衛が来たのだ。
ドアを開けると、相変わらず朝から笑顔の衛がきちんと制服に着替えて、何やら髪の毛をカッコよくセットさせて、いた。
何でも、『MCRK』のギターのエムの髪型に似せようとしたところ、限界があったり、自分に似合わないと思ったらしく、髪型はギターのエムではなく、ベースのアルに似せたらしい。エムの次に好きなんだとか。
ギターのエムの髪型は、黒髪に長髪を後ろに結んだメガネスタイル。衛が真似したことあると聞いて笑ってしまった。確かに、衛に長髪は似合わないかもしれない。
「ねえ、志真。俺、考えたんだよね。」
いつもなら、真っ先にソファーに座る衛が、今日は俺の前に立ったままだった。
そして、衛は、隠していた後ろの手を前に出した。
「じゃーん。野菜ジュース!志真ちゃんさー、朝は必要ないって言ってたけど、やっぱり、胃に何か入れたほうがいいと思うよ。だから、後で箱買いしたのあげるから、毎朝野菜ジュースだけでも飲んでよ。」
野菜ジュース……
嫌いではなかった。むしろ、昼とかよく飲むけど……
「なんで、朝?」
「志真は、もう少し、たくましくなったほうがいいと思う。だから、野菜ジュースからで、慣れてきたらパンね。」
「えっ、俺朝からそんなに無理。」
「いや、慣れれば大丈夫。慣れるまで、野菜ジュースで我慢してあげるから。」
ね?と言ってきた衛は、俺に無理矢理、野菜ジュースを握らせた。
俺は、反論しようにも、土曜日のことがある。
きっと、ベッドまで運んでくれたのも、衛だし……朝まであのでかい体でソファーに寝るのはキツかったろうし……
「……わかった。飲むよ。」
「そうか!良かった。じゃあ、それ飲んだら、制服に着替えて。遅刻するよ。」
衛がキラキラと笑いながら言うから、そうしないわけには、いかなくなった。
そのあと俺は、何とか野菜ジュースを飲み終わり、歯磨きをして、制服に着替えて、部屋を出た。
衛は、土曜日のことを、昨日も今日も聞いてこなかった。
きっと、衛は気付いているかもしれない、会長に会ったことに。でも、衛が聞いてこないのは、気遣いだ。
俺がわざわざ蒸し返すことではない。
教室に入る。
そして、ビックリした。
俺と衛が入った瞬間に、クラスのみんなが話すのをやめてこっちを見たのだ。静まり返る教室。
俺も衛も何事かわからず、ただ驚く限りだ。
俺が、自分の机についても、みんな黙ったままだった。
そして、自分の机の中に、何か入っているのがわかり取り出すと、紙だった。
2つに折ってあって、開くと赤い文字で、
『生徒会のみなさまにこれ以上、近付くな。』
と書いてあった。
あらら。
やってしまった。
俺が周りを見回すと、みんな俺から目をそらした。
衛が、俺の席へやってくる。
そして、その紙を見て、怒ったように周りに言った。
「おい!こんなことしたの誰だよ!出てこい!」
「まあまあ、衛。落ち着いてって。」
今にも誰かに飛びかかりそうな衛をなだめた。
俺は、ため息をついた。
はぁ。
生徒会のみなさまのうち2人が、俺に会いになんて来るから、俺、クラスで浮いた存在悪化したじゃんか。
その場は、使えない男浜口がやって来て、何とかおさまった。やっと、役に立ったな、浜口さん。
それにしても、面倒くさいことになった。
クラスに馴染むどころか、ハブかれる。
別にいいけど、なんか寂しいよな。
結局、うちのクラスで俺に話しかけてくるやつはいなかった。
相変わらず、衛は機嫌が悪いが、衛にはクラスのやつらは話しかける。どうやら、俺を1人にすれば、どうにかなるだろうと思っているようだが、俺は1人でも大丈夫なやつだし。衛は、俺をハブにするやつらとつるむようなやつじゃない。
最悪な月曜日。
今日は、とりあえず、ツイてなかった。
クラスのみんなから無視されるし、昼休みは衛が用事があると言って1人だったので食堂に行ったら、財布を部屋に忘れてきたことを思い出すし、1人で静かに過ごしたいと思って中庭に行けば、男同士できゃっきゃいいながら、仲睦まじそうにお弁当を一緒に食べてるカップル3組にベンチは占領されてるし、屋上に行けるかもと思い、行ってみたけど、現実はそんなに甘くなくて、鍵が厳重にかかってて入れないし……とりあえず、散々だった。
そして、授業が終わり、いよいよ宝探しまであと3日となった今日、とんでもないことをしでかしてしまった。
まさか、あんなことになるとは、思ってもみなかった……
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