アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
腹黒敬語眼鏡が現れた1
-
ビクともしそうになかった門がゆっくりと俺を迎え入れるかのように開いていく
「きみ、大丈夫ですか?」
扉が開き切り、副会長が目の前に来ても何の反応も返さない俺を不思議に思ったのかもう一度声が掛かる
なんで・・・なんでゲームキャラがいるんだよ!?
どういうことだ?しかも話しかけられてんだけど!
「あの、聞こえてますか?」
「はっ!?や、だいじょぶです。聞こえてます、ではさようなら」
そのまま踵を返し歩き出そうとした俺の手が後ろから捕まれ歩き出す邪魔をする
「待ってください。何処に行く気ですか?きみ、編入生の一ノ瀬 環君ですよね?」
えーと・・・待って、今色々変なことが聞こえた気がする
編入生?俺が?何で?編入とかしてないよ?テストとか受けた記憶もねーよ?
てか、何で俺の名前知ってんの?どういうこと?
色々整理しようか俺。って、何の整理!?いやいやいや、はぁ!?
これ、夢じゃないんだよな?目の前にゲームキャラが居て、俺を編入生とか訳分かんねー事言ってて、何俺どうしたらいいの!?これ返事しなきゃダメ?
考えれば考えるほど頭は混乱し、その場に俺は座り込んだ。
座り込んだ際にカサっと鳴ったポケットに手を突っ込んでみれば折りたたまれた紙が入っており
嫌な予感しかしないその紙を恐る恐る開いてみた。
【一ノ瀬 環 (16) 聖川学園1年S組 ・・・・・・(略)・・・・・・難しい編入試験にもほぼパーフェクトな成績で合格。入学式からひと月遅れで編入。ひと月遅れなこともあって寮部屋は気ままな一人部屋。】
「ふぁ!?デジャヴ!!何で!これ輝海が破って俺ゴミ箱・・・はぁ~~~~!?」
破って捨てたはずの紙がポケットに入っていたことに驚きを隠せず、勢い良く立ち上がれば目の前にいた腹黒敬語眼鏡がビクッと身体を揺らし、それでもにこやかに微笑みを絶やすこと無く俺を見ながら再度尋ねてきた
「大丈夫ですか?きみは、編入生の一ノ瀬 環君ですよね?」
「え?あ、はい。一ノ瀬 環です」
こ、これはこの設定?に乗るしかないのか?乗らないと話が進まない気もするし
仕方ねー・・・腹括るか。
「そうですか、良かった。私はこの学園の生徒会副会長の桜庭 詩紋と申します、よろしくお願いします。今日は一ノ瀬君の案内をする為に迎えに来ました」
「は、はぁ。・・・よろしくお願いします」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 27