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誰のモノ
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「龍之介……?」
声のした方へ振り返る。
彼は俺を見ることもなく、一ノ瀬さんをじっと見つめていた。
「何して…………「ふふ、君もしかして三日月 龍之介君?へぇ、思ったよりしっかりしてるみたいだね?」
俺の言葉を遮って一ノ瀬さんが笑い出す。
面白そうにわらう。
「確かに俺は三日月です。でもそんなことを言いに来たんじゃない。……遙は今、怪我をしてますよね?屋上に、血の跡が残ってました」
「あぁ、そうだねぇ。ただの刺し傷だよ」
「それをやったのは……あなたですか?」
苦そうな顔をしてそういった龍之介は、この時初めて俺の顔を見た。
「いや、ちが……違くて…………!これはっ……」
助けて欲しい。
本当は……助けて欲しい。
「そうだよ?遙はこちらのモノだからね。言いつけも守れない子には罰が必要だろ?」
不思議そうに、ごく普通の行動だったと言わんばかりに顔を傾ける一ノ瀬さん。
ゾッとするほど目を見開いている。
「…………なんだ、お前…。何がしたい?お前は遙のなんだ?」
「んー?そうだね〜。……飼い主、かな」
再び口角をあげると、彼は手に持っていたものを龍之介に投げた。
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