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弁当初日
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毎回毎回、俺の才能は素晴らしいくらい発揮される。
3つ並んだ弁当を見ながら、俺は満足感に浸った。
弁当が上手に作れると、今日は1日良いことがありそうな気がする。といっても、毎日俺の弁当は素晴らしい出来栄えなんだから、毎日良いことがあるわけなんだけど
3つ並んだうちの一つは自分用。もう一つは母用。もう一つは、速見用だ。
しかし、上出来なのは上出来なんだが・・・速見の好き嫌いやリクエストを一切聞いていなかったから、いつもどおりの弁当になってしまった。
急に弁当を作れと言ってきた速見が悪いんだが、どうせなら上手いものを食わせてやりたい。
妙に気合いが篭ってしまうのは、母以外で俺の料理をまともに食うのは速見が初めてだからだ。
緊張するな。
変な緊張をしながら、二つの弁当を巾着袋に入れて、斜めにならないように鞄の奥へ詰めた。
いつもよりずっと重たい鞄を片手に、母の部屋を覗いた。
「行ってきます。母さん」
眠っている母を起こさないように、静かに家を出る。
これが俺の朝の日常だ。
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