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それから学校を出るまで、俺たちは注目の的だった。
そりゃあ、速見が誰かと一緒に居ること自体珍しいし、隣にいるのが俺だ。驚いて当たり前だよな。
明日はきっと質問責めなんだろうなと思うと、かなり憂鬱だ。
学校の正門を出て、生徒たちの目が無くなったところで、俺は速見の顔を覗き込んだ。
「なに」
もう顔は赤くない。
風邪でも引いたのかと思ったけど、違うか。
「さっき顔赤かったからさ」
「あー・・・」
歯切れ悪く声を漏らしながら、首の後ろを掻く速見を首を傾げて見つめた。
「どうかしたか?」
再び赤くなった速見が立ち止まる。
つられて俺も立ち止まって速見の顔を見ると、速見はフイッと顔を背けて妙にモゴモゴしている。
「いや、その・・・あー、」
「なんだよ。言えよ」
「・・・さっき、その、・・・名前、呼んだだろ?」
名前?
そう言われて、さっきのことを思い出す。
確かに、俺は「速見」と、彼を呼んだ。
「それが、その・・・、」
「まさか、名前呼ばれて照れてるわけ?」
「・・・」
真っ赤な顔で俯いた速見が、小さく、こくりと頷いた。
「・・・ぶっ!ふ、ははっ!」
ただでさえ赤かった顔をさらに赤らめる速見がおかしくて、思わず吹き出すと速見に思いっきり睨み付けられた。
でも、一度笑い出したらなかなかとまらなくて
「ふははははっ!おま、お前っあははっ!さっきキスしといて、よく名前呼ばれただけで照れられるな!」
「バッカ!声デケーよ!」
そう言う速見も声デカいし、焦る様子は何だか可愛いし、ますますおかしくて笑うと呆れたようなため息が聞こえた。
「ったく、」
「ふふっ、悪い悪い・・・ふ、ははっ!」
あー駄目だ。もう速見の顔を見るだけでおかしい。
別に名字呼ぶなんて普通だし、いきなりキスしたり『女になれ』とか言うのに比べたら照れることなんてない。
なのに速見は、耳まで真っ赤になって目も合わせられないくらい照れている。それが何だかおかしくて、可愛い。
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