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Just want…3
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正直言うと逃げ場なんて初めからなかったんだと思う。
逃げようにも、その逃げたい対象が出入り口いるわけで、まず避けては通れない。
かといって彼と何を話せばいいのか、どうすればこの場をやり過ごせるかを必死に考えるけどいいアイディアなんて浮かばない。
あーもー、一体どうしたら……と思っていると、その隙に北山さんが近付いてくる。
一歩一歩、夢に見た獲物を捕らえるような足取りで。
「達哉が紹介したい子がいるっていうから彼女なのかと思ったら、まさか君とは……ああ驚いたよほんと」
いやいやあの顔の何処が驚いた顔だっていうんだよ!
俺よりポーカーフェイス気取ってたくせに。
「しかもキミ、俺のことあからさまに避けてるし。ああそういえば『アレ』以来連絡の一つも無かったっけ」
笑顔で距離を詰められ、気付いたら少し前に流行ってた壁ドン体勢をとられる。
あ、勿論俺がドンされてる方ね?
ってうわあ……顔、顔近い!!
「ねえ、達哉は君が俺と寝たって知ってるの?」
「ッん、し……知るわけないだろ!」
耳元に低く囁かれ、思わず体が反応する。
くそ、このままじゃ完全に北山さんのペースだ。
「なんだ、修羅場ってやつか。君ってやっぱり抜けてるよね」
「ちょっと何そ……ンっ!」
言い終わる前に唇を塞がれた。
突然すぎで抵抗すら出来ずにいたら、ソレをいいことに口内を縦横無尽に動かれる。
呼吸も上手く出来ずに苦しくなって、なけなしの力で北山さんの体を叩いたけどキスが終わる予兆はない。
まさに「食べられている」ような、こんな獣じみた荒々しいキスは初めてで、どうしたらいいか分からなくなってしまう。
思考が奪われ、全身の力が抜けていくのが分かった。
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