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結局、俺は放課後まで裏庭でボケっとしていた。
人が少なくなり、それを見計らってかカップルがいちゃつき始める。
幸せそうなカップルを目の隅に入れながら、覚束ない足取りで寮まで帰った。
流は生徒会会議があるとかで、今日はまだ帰っていない。
制服も脱がず、自分のベッドに沈む。
枕元には、ずっと置いてあるあのハンカチ。
そっと、自分の唇を指で撫でてみた。
尚の唇の感触が、熱が、ハッキリと残っている。
赤い舌が、目に焼き付いている。
思い出しただけで、俺のアソコは熱を持って、簡単に頭を擡げた。
キスだけでこんなにも感じる。
匂いだけで、欲情する。
血迷ったか、ベルトを解き、俺はあのハンカチを自分のものに被せて欲を放ってしまった。
ーーーーー虚しい。
「クソ…」
何であんな事したの。
何で余裕の無い顔で俺を見るの。
いつもの尚はどこに行ったの。
好きだって言われてるみたいで、勘違いしちゃうじゃんか。
「……好きだよ尚」
好きなんだ。
顔も態度もクールに見えて、実はちょっとふざける事が好きで、偶に見せる笑顔がすっごく綺麗で、高等部では断トツで人気なんだよ。知ってた?
こんな俺が、そんな尚の側にずっと居られた事が奇跡だったんじゃないかって思う。
今となっては、側に居る事さえできないのだけど、
それでも、やっぱり目は離せなくて、冴と居ても、心は、目は、尚を欲しがっているんだ。
ねぇ、伝えてもいいかな?
あのキス、自惚れてもいい?
今更だけど、俺の言葉を聞いてくれるかな?
呆れて、今度は俺かよって言われるかもしれない。
それでも、もうこの熱を押さえる事が出来ないんだ。
尚の熱を知ってしまった俺は、どんな事をしてでも、尚がたまらなく欲しい。
「……キモ」
「わっ!!」
いつの間にか、流が帰って来ていた。
「どんな事をしてでもたまらなく尚が欲しい…だって。ぷぷっ、笑える」
うわ、声に出てたんだ。恥ずかしい…。
「あー、うん、ゴホンッ。早くズボンを履け。そのみすぼらしいブツを仕舞え」
「ブツ言うな!みすぼらしい言わないでよ!!」
「濁して言ってやったんだ。偉そうに言うな変態が」
「ひ、酷い…」
「まぁ、決心したみたいだな。顔がスッキリしてるぞ。あ、スッキリしたのは抜いたからか」
「あーもうっ!煩いよ」
「早く履けって。襲うぞ」
「それだけは無理!!」
「冗談だ。面白いな、お前は」
クツクツと笑う流を睨み付けながら、下げていたパンツとズボンを上げてベルトを締めた。
ハンカチどうしよう。せっかく尚の匂いが着いていたのに。やっぱり、捨てるしかないのかな。何やってんの本当。
「あー、そうそう。お前の元カレが騒いでたぞ。尚に蓮を奪われた…てな。おめでとう」
尚とのキスを思い出して、ボッと顔に火が着いた様に熱い。
でも、まだ気持ちは伝えていないから、
「おめでとうは、取っておいてよ」
葛藤ーENDー
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