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5ー04
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そしてザクロと視線を交わした俺は数珠を女朗蜘蛛に掲げ、五芒星を切り刀指を構え言霊を叫ぶ。
「悪鬼退散!!」
「ギャアアァァァァァーーーッ!!」
全身から放たれる白い気が女朗蜘蛛を飲み込み、眩い光がヤツを覆い尽くす。
よし…そう思った瞬間だった。
「まだ…まだだ…!」
「!」
女朗蜘蛛の体が軋みながら狂ったように叫ぶ。
コイツ、まだ抵抗するのか…!
「…ただで…ただで死ぬものか…!」
かなぎり声を上げた後…拘束された女体を無理やり切り離した下半身の蜘蛛が、最後の力で俺に襲い掛かってきた。
だが慣れない術を連発した事で体力を著しく消耗した俺は、全身の激痛に立っている事すら出来ず…その場で態勢を崩す。
叩きつけられた時頭もやってしまったのか…呼吸が乱れ、視界までぶれ始めた。
「章人…ッ!!」
遠くでザクロの悲痛な声が聞こえた気がする。
ああ、流石にこれは…ダメだ。
…そう悟った。
ドスッ!!
顔に飛び散る鮮血。
視界に飛び込む沢山の赤色。
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
俺に向けられた蜘蛛の最後の一撃は…ザクロのハラワタを貫いた。
「…がはっ…!」
な………んで。
なんでお前が、ソコに居るんだよ…!
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