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平凡は訪れない。
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一日の授業が終わり、僕が帰る支度をしていると前の机の方から焦ったような声が聞こえてくる。
「えっ!?…あのさあ、俺はそういうのもう辞めるから!電話とかかけてこないでっ!」
電話の主は空太だ。
「ちょっ……そんなの無理!…待ってよ!」
話している途中に電話を切られたらしく、頭を抑えながらこちらにやってくる。
「どうかしたか?」
クラスには誰もいなくなったので素で話す。
「前の…美琴に会う前に、そういう関係だった子から会いたいってきて…もう無理だからって言ったら来るまで待ってるって…」
なるほど…修羅場か?
「そういうの、もういらない…お、俺には、美琴だけだもんっ」
顔を真っ赤にさせて言い切る空太。
「………あ、ああ」
やめろ、いきなり何を言い出すんだ…
戸惑いを隠せず言葉に詰まる。
「…しょうがないから、行ってくるよ…あっていうかこの際、全部の女の子と縁切ってくる!」
名案とばかりに顔を輝かせる空太。
どれほど空太は女と関係を結んでいたんだ。
聞いて見たかったが少し恐ろしい気がしたので辞めておく。
「そんな訳で俺行ってくるね!!」
高らかに教室を走り去る空太。
「はあ………頭が痛い」
一人になった僕は教室を出て行った。
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