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ナイトメア
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夜中、また弓弦さんがうなされていた。
僕は、そっと起き上がり、裸足の忍び足で、彼の寝室の、扉の前に行き、扉の隙間に耳をよせた。
僕は、扉を軽くノックした。
彼の声が鎮まった。
僕は、ゆっくりドアノブを回し扉を開けた。
まだ軽く、彼は、呻いていた。
青い月明かりが部屋に満ち、寝台の弓弦さんを包んでいた。
僕は、部屋に入り、ドアを閉めた。
「うっ……あっ、やめろ」
彼の身体が、寝台ではねた。
僕は、枕元に駆け寄った。
彼は、苦悶の表情を浮かべていた。
「ん……ん、あぁっ」
僕は、寝台の外に投げ出された、弓弦さんの手を取った。
苦悶の表情を浮かべていた彼の表情が、一瞬にして、やわらいだ。
弓弦さんが静かに目を開けた。
彼は暗闇の中で僕を凝視した。
僕は彼に問いかけた。
「ねえ、どうしたらあなたは、満足なの? どうしたら、心を開いてくれるの?」
「俺の満足なんて気にするんじゃない」
彼は、僕の追い求めるような問いかけから逃れるように、目を閉じた。
僕は、彼の手を放し、ベッドの足側からまわって、壁側に行った。
彼の傷ついた左肩を避けるためだった。
僕は、覆いのシーツをめくり、寝台に腰をかけた。
彼の息づかいが聞こえた。
僕は足を寝床の中に突っ込んだ。
僕の足が、弓弦さんの脚にぶつかった。
互いの息づかいが、乱れた。
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