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佐知 和樹5
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「佐知っ!!」
歩くの早いっ!!
佐知は身長高めだし、足長いからな
通り過ぎていく色とりどりの花畑にも、目を向けられない。
「佐知ってば!!」
ようやく追いついた時には、全く人のいない場所になっていた。
無理矢理手を掴んで、振り向かせる
「なんで…仁にあんな態度とるんだよ。仁はいい奴だ!俺を助けてくれたんだ」
「計算なんじゃないの?お前とヤるために」
「仁はそんなんじゃないっ!!」
仁は違う
今まで、投げやりになって、沢山の男たちに抱かれてきた
みんな、優しくなんてない
優しい人間なんてこの世にいない
そう思ってた
でも、最近分かったんだ
優しくされないのは、俺が優しくいられなかったからだと。
「仁は優しいんだ。仁といると、俺も誰かのために優しくなりたいって思えるんだ」
本当はそれだけじゃない。
仁の優しさを独占したいと思い始めてる
その気持ちを、どう形にしたらいいか
わからないけど
「たくさんのことを教えてくれてんだよ。
仁がいなきゃできなかったことが沢山あるんだ」
「なんだよ、それ…お前、どんだけあいつのこと好きなわけ?」
好き?
「ち、ちがうっ!!好きではない。ホモじゃないっ!!」
佐知が、近づいて俺の手を掴む
「春斗は最低だ。俺の気も知らないで」
「佐知?」
「自分の気持ちにも、人の気持ちにも鈍感て。なんなんだよ、お前…」
ぎっと、掴まれた手に力が入る
「っ!さ、さち…」
痛い
佐知に睨まれて
「ずっと狙ってきた奴を、ぽっと出てきた奴に取られてたまるかよ」
なんの話?
じっと見てくる視線が、突き刺さる
なんで、そんな風に言ってくるのかわからない。
理解、できない
「よく、わかんね…」
そう言うと、手が離される
「…わかるようになれよ。」
「佐知?」
「後でちゃんと合流するから、さき帰ってて」
そう、言われたら
そうするしかない
結局トボトボと、1人で仁の所へ戻った。
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